「べんり屋、寺岡の冬。」 みんなの声

主人公の少女が小学５年生なので、小学校高学年の読書にもぴったりなシリーズ児童書に思います。
尾道を舞台に少女の成長、家族の絆、その周りに生きる人々・・・四季ある日本の中で季節を感じながら読み手も尾道にいるような気持ちにもなります。

小5の美舟が主人公なので、小学校高学年の女子向けの作品かと思いましたが、寺岡家を中心とした人間模様の描写が秀逸で、すっかりはまってシリーズ4冊いっきに読みました。
お父さんの言葉にお母さんが傷つく場面は、感情移入して私もくやしい気持ちになりました。
友人の真帆の別れたお父さん捜しは、ハラハラドキドキでした。
美舟が、周囲の人の気持ちを、一生懸命考え、悩みながら成長していく姿が、眩しくみえます。

父親の一言で家出してしまった母親。
べんり屋の仕事を父親と一緒にする美舟。
犬を預かることになったり、傘探しを依頼されたり、べんり屋さんの仕事は本当にいろいろですね。
お父さん、いい仕事しています。
美舟の親友の真帆のエピソードもよかったです。