私が読んでいると、娘が来て言いました。
「それ、戦争の話やで。」
「そうなんや〜。」
『平和学習』の日、いわたくんのお母さんは、おばあちゃんから聞いた話をしてくれました。
おばあちゃんのちづこさんは、六十年ほど前に原爆にあいました。
1人助かったちづこさんは、家族を探しに広島の町にもどります。
家があった場所にたどり着くと、そこには、焼けてしまった体がありました。
ちづこさんの家族です。
お母さんと小さな妹の着ていた洋服の布の切れ端をにぎりしめ、泣き続けるちづこさん。
そんなちづこさんを想うと、胸が苦しくなって涙が止まりませんでした。(今でもウルウルします。)
余りにもリアルな現実に、なんて残酷で辛く悲しいはなしでしょう。
戦争は、ちづこさんの大切なものをすべて奪っていきました。
ちづこさんの元に唯一残ったものが、
原爆投下の数日前に撮影された家族写真だけでした。
だから、ちづこさん(おばあちゃん)は、写真を撮るのが嫌いなのです。
おばあちゃんの胸のうちを想うと、悲しくて悲しくて…
広島の原爆の実話を基にしたおはなし。
本当にあったつらい体験を語り継いで、
二度と悲しい戦争を起こさないようにと願いが込められています。
「ぼく、おとなになっても 戦争せんよ。
ほんとよ。」
ぼくのメッセージは、みんな1人ひとりのメッセージになりますように。
最後に、娘は言いました。
「買って・・・。」と。
この一言で、この絵本を借りてきて読めて良かったと思いました。