魚を食べるのが苦手という子供は結構いる。
子供だけには限らない。大人にだって、苦手という人はいる。
何が苦手かというと、魚の骨をとることだ。
特に小骨。喉に刺さったという経験は誰しもあるだろう。
その一方で、魚の身を巧みにとる名人のような人もいる。
その人が食べ終わったあとの魚の骨の見事さ、華麗さのなんと美しいことか。
加藤休ミさんの絵本『さかなをたべたあとのほね』は、
そんな陶然とする美しさを描いた作品だ。
加藤さんはクレヨンとクレパスを用いて、おいしい食べ物を描く絵本作家。
これまでにも加藤さんの作品にどれだけ満腹感を味わってきたことか。
今回のテーマは魚。
しかも、魚料理の絵だけでなく、食べ終わったあとの骨のさままでを描いた傑作。
描かれているのは、イワシ、カレイ、アマダイ、カワハギ。
料理の仕方も焼いたり煮たり。
それぞれの魚は味も違うように、食べ終わったあとの骨のさまも違う。
そのあたりもじっくり鑑賞(!)したい。
最後のページに骨まで食べてしまうシシャモが描かれていて、
加藤さんのユーモアのセンスもおいしい。
個人的にはサンマの骨も描いて欲しかったけれど。
それにしても、食べたあとの魚の骨までおいしく見えてしまうなんて、
加藤さんの細密絵画はどんな調理方法なのだろう。