「カイロ団長」 みんなの声

３０匹のあまがえるは　自然の恵みで楽しく暮らしていたのです
この平和な毎日がとのさまがえるの居酒屋にたちよって　
舶来のウェスキイをのんでかわりました

とのさまがえるはカイロ団長と言ってみんなをだまし警察へ訴え死刑にすると脅します
あまがえるたちは　仕事させて　難題を次々いいます

しかし・・とのさまがえるは逆に大きな石を引く運命に
それは　王さまの命令だったのです
かたつむりのふく　メガホーンの声が聞こえてきます
王さまの命令はいいました
「すべてのあらゆるいきものはみんな気のいい、かあいいそうなものである　　けっして憎んではならん　以上」

立場が逆転して　とのさまがえるは　あまがえるたちに助けられるのです・・・
なみだをながして　とのさまがえるはあまがえるたちにあやまります

とのさまがえるは　どういうわけかしたてやになって働いています
あまがえるたちはもとのようなたのしく愉快な生活に戻れました

とのさまがえるも　弱さがあり　真面目に生きていく　賢治はそのことを伝えてお話を書かれたのですね
ひとをいじめたり　傲慢になってはいけませんね！

それにしても　王さまはちゃんと見てられる　神さまのようです

村上勉さんの挿絵が、宮沢賢治の描く蛙たちの世界にとてもあっていて、読んでいて楽しかったです。
私自身はお酒は全然好きではないのですが、宮沢賢治は「舶来物のウィスキー」って、好きだったのでしょうか？
日本物とどこがどう違うのかもわかりません。

図書館で借りてきて、出しっぱなしにしていたら、上の子が「このタイトルしってる」とか言いながら読みふけっていました。
宮沢賢治の話は何歳になっても、読み手をぐっととらえる力があるようです。
物語有木の絵本なので、１ページに描かれている文章は長めですが、できれば子どもたちには声に出して読んであげたいです。
何冊か試してみたのですが、賢治の童話は声に出す方が、耳や心に響いてくるものが確かにあります！

ほとんどみどり色でかえるの世界をあざやかに描かれている絵本といっていいでしょうか。
ところどころ黄色や紫を使っているのですが圧倒的に多いのがみどり色です。
オッペルと象に代表される酷使と収奪に翻弄されるさまを描いています。オッペルと象は最後に白象が仲間に手紙を送って救われるのですが、この30匹のあまがえるたちはただ人がいいだけで、殿様がえるに酷使されてしまいます。賢治のころだけの話ではなく今にも通じる話しです。