マージョリー・プライスマンさんの「アップルパイをつくりましょ」が楽しかったので
作者は違いますが、絵者が同じのケーキの本♪を期待して手にとりました。
嬉しい大当たりです!
国いちばんのケーキ職人、コーラ・リー・メリーウェザーは
いつもレモンを食べたみたいに口をすぼめた気難し屋さん。
亡くなったあとも(主人公なのに!)、売りに出されたケーキ屋に幽霊となって現れ、新しい職人さんを追い出します。
4人目のアニー・ワシントンは気丈な女性。
コーラ・リーは「なみだがこぼれるほどすばらしいケーキ」を作れば
台所をゆずると約束するのですが・・・・
長めのお話ですが、
ちょっと意地悪で茶目っ気のあるコーラ・リーと元気で気持ちのまっすぐなアニーの応酬が楽しく、
どうなる?と引き込まれる展開や、
多種多様のケーキが続々登場するおかげで飽きさせません。
年長の息子も夢中になって聞いていました。
勢いのある線で登場人物を表情豊かに描いた絵もいいんです。
美味しそうに描かれたケーキは、食べたくなって困ります!
幸せな結末には、コーラ・リーの想いがじんわりと伝わってきて
嬉しくなりました。
今までの物語がするすると収束されていくような感覚、
もう一度読み返したくなります。
ラストも素敵!だし、
おまけの「ゆうれいもよろこぶチョコレートケーキ」のレシピは
作者の家族が大好きなケーキだそう。
(作者紹介もケーキに絡めた文章。遊び心いっぱいで楽しいですよ。)
ケーキがある場所に流れる幸せな時間をご一緒しませんか?
長めのお話ですが、ケーキが好きな(作るのでも、食べるのでも)年長〜小学生位のお子さん、
また大人の方にもおすすめの絵本です。