「ええたま いっちょう！」 大人が読んだ みんなの声

題名から草野球とかスポーツの話かな…とおもいきや、全然ちがった。とても素敵な警察官が出てくるおはなしだった。
子どもも大人も、こんな風に、思いやりのある世の中であってほしいという著者の願いが感じられた。この警察官のように、きちんと子どもを見つめることができる大人でありたいと思う。

この作品の舞台は、山が近く、自然がまだ多い場所にあるようです。
交番の「昨日の交通事故」で、この町の死者も負傷者もゼロなのがよかったです。

くすのきさんの作品は、一見大人たちが流してしまいそうな子どもたちの心を深く掘り下げて取り上げてくれている気がします。
吉田尚令さんとはコラボ作品も多く、作品の世界観を十二分に広げてくれていました。

出来れば、こういう風に清い心で警察官を目指すお子さんたちが増えてくれることを望みます。

納得できないことで、先生に叱られて
憂鬱な気持ちの帰り道
その道で見つけたボールに八つ当たり、、、
そこで、お父さんの思い出の言葉がよみがえった男の子。
出会ったばかりの、若いおまわりさんとの会話、
心のキャッチボール、本当のキャッチボール。
自分の心と思い切り投げたボールを、しっかり受け止めてくれた
おまわりさんとのラストシーンにジーンとなります。

若いおまわりさんとのキャッチボールは、僕にとってとても素敵な出会いであり、心のキャッチボールになって本当によかったです。若いおまわりさんも僕と同じ境遇で、おとうさんがいない母子家庭であったのも僕が心を開くことが出来たのかもしれないですが、尊敬できる大人が出来て目標が出来たのもよかったと思いました。「パシッ！」「ええたま　いっちょうや！」最後に、すっきりして決まりました！

くすのきしげのりさんの作品です。
子どもの気持ちを見事に救い取る方ですから、思わず読んでしまいました。
小学生のぼくの独白で進みます。
小学校からの帰途、ぼくは汚れたボールを拾います。
一度は、学校でのイライラから蹴飛ばしますが、
お父さんの言葉を思い出し、交番に届けるのですね。
このお巡りさんが秀逸です。
ぼくの気持ちをしっかりと包んでくれます。
片親家庭であることを聞きだしたお巡りさんは、キャッチボールに誘います。
気持ちを受け止めてくれる象徴のようなシーンです。
繊細な感情を、吉田さんが細やかに描き出していて、それも素敵です。
小学生にしみじみ届けたいです。