終戦記念日の今日、ふぇるじなんどのように花を愛し、人間なら本や絵や歌が好きな、心優しい青年たちの命が、どれほど多く戦場に散っていったことだろうと思いながら、いつもとは違った気持ちで、この本を開きました。
ひとり草の上に座って、静かに花のにおいをかいでいるふぇるじなんどに、娘は自分自身を重ねたのか、とろけそうにうっとりとした瞳で、にこっと微笑んでいました。
花が何よりも大好きで、いつでも花に触れていたい娘。活発で、お転婆で、友達もたくさんいるけれど、ふぇるじなんどの気持ちもよくわかるのでしょうね。
最近、テレビで闘牛の場面を見たばかりだった娘は、牧場のほかの牛たちがマドリードの闘牛で華々しく闘ってみたいと望んでいることを知り、
「えっ、こわいよ。どうしてそんなことが夢なの? だって剣で刺されるんだよ。」
と、小さな怒りの混じった驚きの表情を浮かべていました。
また、「動物」の図鑑で、人間によって絶滅に追いやられた動物たちが数多くいたことも学んでいたので、
「どうして人間が牛と闘うの? そんなにたくさん牛を殺したら、スペインにはミルクがなくなっちゃうよ! それよりも、牛と牛を闘わせて、どんどん勝ち抜いていった牛がチャンピオンになるっていうのにすればいいんじゃない?」
と、新提案もしていました!
ユーモアにあふれていて、のどかな雰囲気の中にも、深く考えさせられることが多くあり、様々な立場で楽しみながら、自然と心が洗われていく・・・そんな1冊でした。
私自身も、娘のあるがままを大切に、平和への感謝の心も忘れないでいたいな、と思います。