特別、大きな盛り上がり上がるわけではありませんが、
森の中のちいさなもみの木と、足の不自由な男の子との、
しっとりとした友情を描いた作品だと思いました。
男の子ともみの木をつなぐものとして、男の子のお父さんが登場しますが、このお父さんのセリフがとてもよかったです。
「おまえはこれから、すばらしいおいわいにいくんだよ。
 …そして、はるがきたら、おまえを みつけたところへ 
 つれていって、また うえてやるからな。
 わたしのむすこと いっしょに、おおっくなっておくれ。…」
この言葉があるから、もみのきは男の子のところへ行くのが楽しみになったのではないかと思いました。
だから、男の子の足が治った年のクリスマスに、お父さんが「自分」を男の子に連れて行ってくれないのを、とても不思議に思ったに違いありません。
キリスト教徒ではありませんが、
ちいさなもみの木のところへ、足の治った男の子がやってきて、
クリスマスキャロルを歌ったところは、ジ〜ンとなりました。
ぜひ、クリスマスの時期に、もみの木の前でこの絵本を読んであげたいですね。
幼稚園くらいから小学校高学年くらいに、お薦めします。