美しい安曇野の一年を描く。
冬、やすおじさんは、夜明け前から畑で働き始めます。パチン、パチンと枝の剪定です。
秋、おいしいりんごが実りますように。さあ、畑の一年が始まります。
●作者からのメッセージ
・文/松本 猛さんからのメッセージ
北アルプスの麓、安曇野の自然のなかで、低農薬や有機農法で農作物を作る人々がいます。
主人公はそういう人々の一人です。子どもたちに、農薬漬けでなく、安心して食べられる
食物を届けたいという彼らは、どんなに仕事が大変でも、いきいきとして、目が輝いています。
この絵本を通して自然とともに暮らす人々の生活の一端を知ってもらえたら嬉しいです。
画家の中武さんは、そういうりんご農家で働いています。だからこそ絵が生きているのです。
・絵/中武ひでみつさんからのメッセージ
僕がりんご農家で働かせてもらうようになって三年、おいしいりんごが出来るまでには
いろんな作業があるのだということを知りました。雪の中での剪定や真夏の草刈りなど、
大変な作業も確かにあります。でも一斉に咲いたりんごの花を見た時や、葉っぱをつたう
しずくのきれいさなど、自然の中で働いているとそれ以上に感動することも多いです。
この絵本からりんご作りだけでなく、草や土のにおい、花の香りや風の音なども伝わればいいなと思っています。
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