『おこだでませんように』や『めがねをかけたら』など、
リアルな子どもの心情を書かせたら、ピカイチの作家・くすのきしげのりさん。
この作品は小学校1年生の学校行事と生活を描く
「いちねんせいの1年間」シリーズの1冊です。
そうたの通う小学校の校長先生は、毎朝生徒ひとりひとりに挨拶をして、
掃除や給食、授業などを子どもたちと一緒になってやる、
元気で、いつも絶好調の「ぜっこうちょうせんせい」。
ぜっこうちょうせんせいは、運動会の練習にも一生懸命。
そうた達一年生に、速く走るコツを教えてくれます。
でも、クラスで一番足の遅いそうたは、練習になかなか力が入りません。
走るのを途中であきらめてしまうそうたに、校長先生は
「ゴールは まだ とちゅうだと おもって、
ゴールの むこうまで はしるんだ
そうすれば、いきおいよく ゴールテープを きることができるぞ」と励まします。
運動会当日、徒競走でやっぱりビリになってしまい、落ち込むそうた。
でも、先生たちの出る「よびだしきょうそう」で、
校長先生が引き当てた紙に書いてあったのは……。
一年生の1年間は、すべてがはじめてで、新鮮なことばかり。
小学校教諭として長く、子どもたちと接してきたくすのきさんだからこそ描ける
「いちねんせいの1年間」は、
「入学式」「授業参観」「プール」「運動会」「遠足」「進級」と、
より心と体が成長するテーマがセレクトされています。
1年生になった子、これから1年生になる子はもちろん、
1年生を懐かしく感じる上級生にも読んでほしいシリーズです。
(木村春子 絵本ナビライター)
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