昔から不思議なことが起きると言われてきた土地。その高い崖の上の古い家に、ねこは住んでいました。
ある日の朝、地響きのような大きな揺れに驚いて目を覚ますと、窓辺にいろとりどりに輝く石が。不思議なことにその美しい石は、見るたびに少しずつ大きくなっていくのです。
包丁にしてきのこを切ってみたり、パンをのせるお皿にしたり、原っぱにテーブルとして置いて友だちのにわとりとジュースを飲んだり。大きくなる石をさまざまにつかって楽しむねこ。さらに大きくなった石をベッドにして、にわとりと一緒に寝ることしました。
雨や風が降りしきる外とは対照的に、ぬくぬくのふとんの中で心地よく眠るふたり。すると突然、予想もしていなかった災難に見舞われて……!
第28回日本絵本賞を受賞した『ねことことり』の絵を担当し、新星の画家として注目される、なかの真実さんのデビュー作。壮大なスケールの構図と細部まで描き込まれた緻密で美しい絵、不思議でファンタジックな世界観に魅了されます。個人的にはねこの表情にもグッときました。びっくりしたり、美味しそうにほおばったり、眠そうに目をこすったり、繊細な愛らしさがたまりません。
いよいよ、成長する不思議な石の秘密が明らかに───。そこには私たちの想像を優に超える展開が待っています。ねこの家がなぜ崖の上にあるのか、伏線をひもときながら何度も読み返したくなる美しい一冊です。
(竹原雅子 絵本ナビライター)
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注目の絵本『ねことことり』の画家・なかの真実、幻のデビュー作。
猫が暮らす、高い崖の古い家。この土地では、
昔からふしぎなことが起こるといわれ……。
たかい崖のうえにある、古い家で暮らす猫は、
ある朝、色とりどりにかがやく石のようなものを見つけます。
不思議なことに、その“石”はどんどん大きくなり……。
小さな一歩が、“出会い”につながる――美しい細密画で贈る、
イマジネーション溢れる光と闇のファンタジー。
子どもも大人も虜になる!なかの真実ワールド。 「一体このあとどうなるの?」と、
ハラハラドキドキ楽しみしながら、どっぷりと物語に浸かることができます。
「出会いは、お互いにとって特別な偶然。
だれかと関わることでその人が鏡となり、自分が映しだされていく。
そんなことを思いながら、このお話を描きました」 ―作者・なかの真実
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