人気のあかちゃん絵本『なーんだ なんだ』『どーこだ どこだ』に続く第三弾『だーれかな だーれかな』。ワクワクしながらページをめくると……そこには、ピョンピョンピョンとかえるさんの“あしあと”が!あかちゃん絵本としてはずいぶんと大胆な構成にも思えます。
ところがこの“あしあと”、実物にとても忠実な上に、愛嬌たっぷり!あかちゃんの目にも、きっと魅力的にうつるはず。「なんだろう?」と指でたどる姿が想像できます。「だーれかな だーれかな」と読みすすめると……くりかえしとあてっこの楽しさは健在。はじめは足あとと動物がすぐに結びつかないあかちゃんも、その形や大きさや音、そしてちょっとだけ見えている体の一部から、一生懸命推理していくようになるのでしょうね。
シリーズ三冊を通すと、あらためてその視点のユニークさに気がつかされます。クローズアップされたパンダの顔が、何だか違うものに見えてきたり(『なーんだ なんだ』)、色の対比によるひよこの見え方の変化に驚かされたり(『どーこだ どこだ』)。今回の、あしあとや歩く音から動物を想像するというのも、とても新鮮。この自由な目線こそが、小さな子どもたちを虜にしてしまうのかもしれませんね。
それにしてもカズコG・ストーンさんの描く動物達は愛情たっぷり、「こんにちは」の姿に思わず目じりが下がってしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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