はずかしがりやのくまさんのお話です。
森に住む白いくまさんは、みんなと友だちになりたいけれど「ハズカシイ! ハズカシイ!」。
「ハズカシイ」でいっぱい。
「こんにちは〜」と誰かに声をかけられても、逃げ出してしまうんですって。
大きなくまさんなのに、変だなあ〜。
でもくまさんは優しい心をもっていて、森のみんなが困っていると、役に立ちそうなものをこっそり切り株の上に置いたりするんです。
それを見つけたみんなは「わあ!」と喜びます。
ある日、うさぎさんが川に落ちたのを見て、助けようとしたくまさん。
長いつるを川に投げてあげたはいいのですが、木からどっし〜〜ん!と落ちてしまいます。
「ハズカシイ! ハズカシイ!」と一目散におうちへ帰ってしまった、くまさん。
あとに残されたみんなは、足あとを見て「これはくまさんがたすけてくれたのかもしれない」と気づきます。
くまさんにありがとうを言いたいな。
どうしたら出てきてくれるかしら。
森のみんなが話し合って、考えついたことは……?
みんなの役に立ちたい、でもハズカシイ!
はずかしがりやのくまさんの気持ち、そしてけなげな行動に、ほのぼのします。
みんなのためにと、おふろで一生懸命自分をきれいにするくまさんが可愛いです。
「どういう意味?」と思ったらぜひ本を読んでみてくださいね。
くまさんの、照れた笑顔のわけがわかりますよ。
最終ページのちょっとした絵探しも、親子で楽しめるポイント。
森のイラストレーションが可愛い、はずかしがりやさんに読んであげたい絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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