こんにちは。わたしはローラ。
退屈な行列、いらいらする渋滞、つまらない建物。
もっと楽しくしたいから、わたしは「わたしの世界」を、思い浮かべてみます。
わたしの世界の行列は、もっとスリリング!
渋滞だってないし、外から見ればつまらない建物も、中はとっても変わってる。
学校ではたくさんへんてこなことを教えているし、この世界には奇妙な動物もいっぱい!
さあ、ひとつずついっしょに、あなただけの世界をつくってみよう!
どんな家に住みたい?
どんなところにいってみたい?
どんな動物がお気に入り?
あなただけのすごい家、あなただけのおもしろいたてもの、あなただけのふしぎな動物。
どうしたら、それをもっと、すてきにかえられるかな?
ブラティスラヴァ世界絵本原画展、グランプリ受賞作!
世界で注目されるイラストレーターが描く、創造と想像の楽しさをテーマにした絵本。
スマホ、テレビや、ゲームなど。
現代はスイッチを入れればすぐに、子どもたちを楽しませてくれるものであふれています。
「でも、ただこの頭がひとつと、少しの想像力さえあれば、世界はもっと楽しくなるんだよ!」
そんなふうに全力で叫んでいるような、エネルギッシュな作品です。
本書のなかで、著者であるローラ・カーリンは、ていねいに、少しずつ、読者のイマジネーションを解きほぐし、ゆかいで大胆な手本をみずから示しながら、ひとつの力強いメッセージを教えてくれます。
「なにかを思い描き、作ることにおいて、人はどこまでも自由なのだ!」
そのメッセージを体現している本書は、写真と絵が入り交じり、ときに抽象的です。
パラパラと絵だけを追って読んでみると、そのおもしろさは伝わりづらいかもしれません。
しかし、1ページ1ページ、ローラの示す例に倣ってイマジネーションを働かせていくと、この作品を読み終わるころには、世界にたったひとつしかない、自分だけの世界ができあがっているのです。
「あしたになったら、わたしはまたはじめから、あたらしい世界をつくれるの。
あなたは、あなただけの世界を、今すぐにでも、何回でも、好きなだけ、つくれます。
忘れないで。
ひらめきは、今ある暮らしを見ることから、生まれるってこと」
想像すること。
実際に作ること。
工夫すること。
そして、自由であること。
電池もバッテリーもいらない、イマジネーションという最高の遊び道具の使い方を、ていねいに教えてくれる珠玉の一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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