むかしむかし、ある村では妖怪たちが暴れまわったり、どろぼうしたりで、
村人たちは困り果てていました。
そこで、たくましくて力持ちで、どんな強いものでもやっつけてしまうと噂の、
へのへの山のへのたに、やっつけてもらうことにしました。
村人たちが頼みに行った、へのへの山のてっぺんにいたのは、小さな男の子。
それが、へのたでした。
お供にいぬまる、さるすけ、きじえもんを連れて妖怪退治へ向かうへのたに、
「こどもとどうぶつだけでへいきかなあ」と村人たちは心配しつつも見送ります。
妖怪のいるどんどろ島に着いたへのたたち。
戦の準備にまず、舟に積んできたたくさんのいも、くり、かきをはふはふ、もぐもぐ。
おなかいっぱい食べたら、いよいよ妖怪屋敷へ向かいます。
まず、妖怪屋敷の扉を開けるために、「ばっぶーん!」
へのたがでっかいへをこきました。
そこからは、へのたたち、妖怪たち、両者入り乱れての屁合戦!
しかし、なかなか勝負がつきません。
そんななか、へのたが思いついた名案とは……?
へのたは無事、妖怪退治をすることができるのでしょうか……。
「屁」で妖怪退治をする、このゆかいなお話。実は江戸時代の絵巻物にもあったとか。
『おんなじ おんなじ おんなじね』や『かさじおやぶん いっけんらくちゃく』でタッグを組んでいる苅田澄子さんとつちだのぶこさん。おふたりのお話と絵には、子どもが大好きなユーモアがたっぷりです。
(絵本ナビ編集部)
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