すやすや、気持ちよさそうに眠りこんでいるとらさん。
かえるくんたちは、とらさんの向こうがわへ、風船を運ばなければなりません。
とらさんを起こさずに向こうへ行くには、いったいどうしたらいいのでしょう?
そのとき、かえるくんがいいことを思いつきました。
風船を使って、とらさんの上を飛んでいけばいいんだ!
みんな風船でふわふわ、次々とらさんの上をこえていきますが……。
あっ、風船がだんだん落ちてきた!
とらさんは、なんだか目を覚ましそう。
このままじゃあ、とらさんが起きちゃう!
おねがい、みんなもてつだって!
風船が落ちないように、ふーふー吹いてあげたり――、
とらさんを寝かしつけるために、おなかをぽんぽんと叩いてあげたり――。
読み聞かせるだけじゃなく、子どもたちを物語にまきこんで、おもちゃのようにいっしょに遊ぶことのできる絵本。
「親子でいっしょに楽しむ」という、コミュニケーションツールとしての絵本の側面が存分に活かされた、おすすめの一冊です。
さあ、絵本を使って遊んでみよう!
ちいさな体の動物たちと、おおきなとらさんとのかわいらしいコントラストが、物語の結末をよりいっそう、ほほえましく演出します。
(堀井拓馬 小説家)
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