「銀杏堂」は、レンちゃんが登校途中で見つけた骨董屋さんの名前です。ある日勇気をふりしぼって、お店に入ると、そこには店主の高田さんというおばあさんがいました。レンちゃんは、高田さんから、お店に並ぶ珍しい骨董品を手に入れるまでの冒険譚を聞きます。
にしきごいのうろこを手に入れた時のにしきごいとの対決、稲妻のかけらを拾った激しい夕立ちの日のこと、ユニコーンの胸につかえていた四つ葉のクローバー入りエメラルド、朝つゆのついたクモの巣のネックレスを見つけたときのこと……それらひとつひとつを手に入れた時のハラハラする冒険や、夢のような不思議な体験。場所も北極からサバンナ、フランスなどはるか遠い異国で起きた出来事だったり、時には、絵のなかに入り込んでしまったことも。
「歴史や思い出こそ、人生の宝になるんだよ」
そう語る高田さんの冒険譚は、最高にワクワクするものでありながら、どこか人生の秘密までもが隠れていて、レンちゃんの心に影響を与えていきます。それは未来へ向けたレンちゃんの夢への手がかりともなるのでした。
挿絵や装丁もとびきり美しい一冊。ひと目で素敵さが伝わる表紙カバーはもちろんのこと、カバーを開いた時に現れる紺と金色が美しい中身、見返し、ところどころに挟まれる贅沢なカラー挿絵など、すみずみまで手が込んでいる造本の素晴らしさは実際に手にとって感じてみてくださいね。
小学4年生ぐらいから大人の方まで。珍しい骨董を手に入れるためなら、どんな苦労もいとわない、かっこいい高田さんのお話に耳を澄ませてみませんか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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小学1年生のレンちゃんは登校途中に気になるお店を見つけました。「銀杏堂」というそのお店が扱うのは、骨董品。店主は高田さんというシワシワのおばあさんです。でも、高田さんはただのおばあさんではありません。冒険する骨董屋です。店に並ぶのはすべて、高田さんが世界中を旅して集めてきた幻の品ばかり。巨大なにしき鯉のうろこ、稲妻のかけら、ユニコーンの喉につかえていたエメラルド、李白が皇帝から贈られた瀬戸物のの、サバンナで捕まえた逃げ水、溶岩で作ったコーヒー、南極に生育するサボテンの樹液……それら一つ一つに、高田さんの冒険ものがたりと人生の思い出が詰まっています。レンちゃんは、毎日のようにお店に通い、高田さんから骨董にまつわる話を聞くようになりました。これは、そのお話14篇を書いた本です。カラーイラストも美しい贅沢な、プレゼントにも最適な一冊。
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