最近、『人種差別』をテーマにした絵本が結構出ています。
1冊読んだら、ほかの本が気になって、次々探して読み歩いています。どれもこれも、当時人種差別を受けていた被害者(おもに自分の意志に関係なくアメリカ大陸に連れてこられた元・アフリカに住んでいた人たちとその子孫の人たち)の悲惨な経験の物語で、読んだ絵本のほとんどが実際にあった出来事をまとめた伝記絵本でした。
このお話の主人公『ヘンリー・ブラウン』も実在の人物で、自由を手にするため自分で自分を荷物として送ったとして、後々有名になったそうです。
実をいうと、表紙絵の小さなころのヘンリーブラウンが可愛くて手にした作品だったので、実際彼が“ことを起こした”のが結構大きくなってから、しかも妻子持ちになってからの出来事と知り、ちょっとテンションが下がってしまいました。
小さな『ヘンリ・ブラウンが』優しい主人に出会って、誕生日をもらったんだとかいう展開を期待していたのに、全然違いました!!
最後まで読んで、「誕生日」ってそういう意味合いで使ったのか〜と、驚きました。
確かに、ヘンリーは助かってよかったですが、できれば彼の家族も助けてあげたかった。ヘンリーの子どもたちはあの後どうなったのでしょう?
自由で幸せな人生を送れたのでしょうか?
今はもう昔の話。ではなく、こういう差別がまかり通っていて、実際に『人』がそれをしていたのだと、語り継いでいくべきだと改めて思いました。
読み聞かせに使うなら、小学校中学年以上中学生・高校生くらいにお薦めです。