単純で分かりやすいお話の中に、色々なメッセージが詰まっている絵本です。
あらいぐまの家から泥棒してしまったねずみたちを、あらいぐまのお父さんはきちんと怒ります。悪いことは悪い、しっかり伝えているんですよね。
でも、盗んだ物を全部返してしまったら、食べる物が何も無くなってしまう、とねずみは訴えます。
そこであらいぐまのお母さんは、じゃがいもを植えて畑を作り、ねずみが自分たちでじゃがいもを作って食べていけるように知恵を授けるのです。
そして、最後はみんなで力を合わせて素敵な家を作ります。
日本の貧しい国への援助政策はやりっ放しで、その後のサポートが無いという問題を学生時代に知りました。大切なのは、その国の人々が自分たちで歩いていけるように、力を貸すことだと学んだのですが、この絵本にはそういったヒントが隠されているように思います。
ねずみが収穫したじゃがいもを、きちんとあらいぐまの家に返しにいくのも、偉いですよね。