空を自由に飛び回る鳥を見て、自分も空を飛びたくなることってありますよね。
心無い人間によって、夕暮れの浜辺に捨てられた、一匹の子ネコもそうでした。
でも、翼のない子ネコは、空を飛ぶことはできません。
浜辺で出会ったカニと一緒に、空を飛びたい気持ちを募らせる、子ネコ。
そんな子ネコに、いじわるなカラスが
「うみへ むかって とびおりるんだ。そうすれば、かぜが おいらを とばせてくれるのさ。」と声をかけます。
カラスの真似をして、岩の先に立ち、両手を広げる子ネコ。
必死に止めようとする、かに。
岩から海へ飛び出した子ネコは、案の定、海の中へ落ちてしまいます。
魚たちにつつかれながら、海面に上がってきた子ネコとかに。
そんな彼らに、空から近付いてきたものとは……。
シンプルな線で描かれたキャラクターのユーモアあふれる動きと、
夕暮れどき特有の淡いタッチが美しい、あるネコの成長物語です。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
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