「レッツ」シリーズ(講談社)をはじめ、たくさんのおはなしの書き手であるひこ・田中さん、『こんもりくん』(偕成社)などユーモアがあってかわいい絵を描く山西ゲンイチさん。
そのふたりがコンビを組んで生まれた絵本……とくれば、期待も高まる新作絵本。
主人公は、小学1年生になったコリンくんです。
コリンは、とうさんたちがフリーマーケットに参加するというので、自分もいらなくなったものを売ることにします。
とうさんたちを手伝うんじゃなくて、自分のお店を開くんです!
品物を選んで、値段をつけて、おつりをジャムびんに入れて……。
ちょっとうれしい。
ちょっとドキドキ。
読者もきっと、コリンと一緒にお客さんを待つ気持ちになるはず!
買いに来てくれたお客さんは、いろんな子がいます。
お金はないけど、妹に遊び道具をあげたい子だったり……。
コリンより小さい子、大きい子、知らない子も!
いるもの、いらないもの。昔好きだったけど、もうつかわないもの。
コリンのものだけど、とうさんとかあさんが買ってくれたもの。
コリンはいらないけど、とうさんとかあさんがほしいもの。
読みながら、「うーん」と考えてしまいます。
難しいけど、ちょっと幸せな感じもする「うーん」です。
“もの”について考えながら、家族の思い出や、交換する楽しみを感じさせてくれる絵本。
ひとつひとつの品物が、山西ゲンイチさんによって素敵な存在感で描かれます。
年中・年長さんから、小学生低学年のお子さんにおすすめ。
フリーマーケットではじめてのお店開き、いい経験になりそう!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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