
毎年、梅雨の時期になると存在感を増す「かたつむり」。都会でも比較的見つけやすい身近な生き物ですが、なかなかじっくりと観察することはないかもしれません。こちらの絵本では、そのかたつむりにクローズアップしたいのちの物語です。
かたつむりは大きくなると、殻のうず巻きの数が増えること。冬眠だけでなく、暑いときにヌメヌメした体が干からびないよう「夏眠」もすること。かたつむりにはオスメスがないことなどなど、おはなしを読み進めながら、かたつむりの生態を知ることができます。
たけがみたえさんの描くかたつむりは、表情豊かで可愛らしく、とても魅力的です。また本来の生き物の姿と離れ過ぎずに描くことで、おはなしに説得力を与えています。
卵から生まれたむしのあかちゃんが大きくなって、卵を産むまでを描く「むしのたまご」シリーズ。むしや自然が大好きな子どもたちにとって、とても興味深いおはなしになるはずです。
(出合聡美 絵本ナビライター)


でんでんちゃんはうまれたばかりでも、自分で食べ物を探します。暖かいうちにたくさん食べて、冬になると殻にとじこもって冬眠します。そして3年たった春、体が大きくなって、殻のうずまきの数も増えました! しとしと雨が好きなでんでんちゃんはやわらかい体でどんな道も進みます。なめくじと似ているけれど、どこが違うかな? オスもメスもないカタツムリがどう卵をつくるかなど、楽しいお話の中で生態を知ることもできます。

同じ「むしのたまごシリーズ」のかぶとむしバージョン、トンボバージョンが面白かったので、こちらも読みたいと思いました。
でんでんちゃんの一生を追いながら、かたつむりの生態について教えてくれる作品。かたつむりってオスメスってないんですね。身近な生き物なのに、かたつむりのこと全然知らなかったなぁと思いながら、「へー」「へー」と感心して読みました。
たけがみたえさんのカラフルなイラストも、見ていてとても楽しかったです。 (クッチーナママさん 50代・ママ 女の子20歳、女の子18歳、男の子15歳)
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