「ぶどーるぶどーる おいしくな〜れ」これはぶどうがおいしくなるおまじないの言葉。きっとジュージーでぷるっぷるの甘いぶどうが現れるんだろうなと想像しながら「ぶどーるぶどーる むきむきぽん!」とページをめくると、えっ!びっくり!思いも寄らないものが出てきます。
次こそはとまた皮を「むきむきぽん!」。でも現れたものは、やっぱりぶどうとは似ても似つかないもので……。ページをめくるたびに「ちがーう!」「なんで?!」と驚きの声が聞こえてきそうです。でも、そこに現れるのはどれもおいしそうなものばかり。どーなってるの?と思いつつも、「ぶどうじゃないけど食べちゃおう!」ということになるのです。「むちゃむちゃむちゃ」「ふはっふはっ あちち」。楽しくておいしいから、これはこれでラッキーなのかも?!と思えてきます。
楽しい発想で次々とユニークな作品を作り出している作者の矢野アケミさん。小さな子から大人まで大喜びの「おいしくなーれ」シリーズは、バナナ、みかんに続き、今回が3作目となります。ぶどうの皮をつるっとむく、あの気持ちの良い瞬間と、あっと驚くサプライズを思う存分楽しめます。今回も、裏表紙までクスッと笑える作品になっていますよ。ぜひみんなで「ぶどーるぶどーる おいしくな〜れ」と唱えてみてくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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