ひとりの男の子が、お気に入りの書店さんにやってきました。
なぜお気に入りかって? もちろん! この本屋さんには子どもの本がたくさんおいてあるからです。男の子は、いつものようにウキウキしながら児童書売り場を歩いています。今日は「読みもの」だ! そんな気持ちでした。
ですから絵本のコーナーはひとまず素通り… …と思ったのですが、おや、新刊でしょうか、平積みにされた「ある絵本」が目にとまりました。ロングセラー絵本にかこまれていますが、男の子はその本のことがとっても気になります。なぜか前見返しが開いたままです。そしてそこには大きな黒い穴が。
あれ、なんだろうこの絵本。男の子はたまらずその本を手にとってみました。と、その瞬間!
「わー!」
その絵本はとつぜん「ぐいーん」と大きく広がって、なんと男の子を飲みこんでしまいました。た、たいへん! いったい男の子はどこへいってしまったのでしょうか……。
これまでに700冊を越える本の表紙を描いてきたイラストレーター影山徹による本づくりの冒険ものがたりです。
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