ふしぎな はこ(評論社)
箱のなかにはいっているのは?!
もうなかないよ、クリズラ(冨山房)
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8件見つかりました
新版が出る、ということは名作なんだろうなということで手に取りました。冬眠から目覚めたら、人間が工場を作っていて、くまなのにそこで働け、と命令されます。もちろん、くまだから人間と同じようには働けず、だけども逃げ出すこともできず・・・自分を熊と認めてくれるだけでいいのにそれすらしてもらえない悲しさ。最後はちゃんと熊に戻れてよかったですが、なんだか考えさせられる一冊でした。
投稿日:2024/12/18
他の方のレビューで「大人のための絵本」とあったので興味を持ちました。 人間の身勝手さを痛烈に描いた、シュールな絵本です。冬眠中に工場ができ、知らずに出て行ったら、人間たちに働かせられることになったくまの話。くまは働いているうちに自分がくまなのかなんなのか分からなくなってしまうのです。 挿絵がとても素晴らしいので、引き込まれました。さすがに意味が分からないだろうと思っていた4才の息子も、じっと聞き入っていました。 私は読後、少し怖くなって苦しくなりました。でも一緒に読んでいた4才の息子は、「もどれてよかったね」と言っていました。 これからも時々この絵本を開いて、自分を見失っていないか自問する機会にしようと思います。
投稿日:2014/05/22
読んでいる途中から、強烈な印象を受けました。 クマだったはずなのに・・・いえ、今でも、クマのままのはずなのに。 強引な力を感じました。 どうか、クマだったことを思い出して欲しい、と願わずにはいられませんでした。
投稿日:2013/04/15
訳者のおおしまかおりさんは、絶対作者のファンだと思いましたね。 邦訳の分に「愛」が感じられました。 作者イエルク・ミュラーとイラスト担当のイエルク・シュタイナー(絵と文の名前が同じなんてすごいですね!)はスイス生まれ、スイスの作家さんの作品です。 冬眠から覚めたくまが毛むくじゃらの人間と間違えられて、工場で働く羽目になる。何とも変な話です。 人間に間違えられ、「間違えてるんだ」という想いさえ立ち消えそうになるくまの憂鬱さが、とてもよく出ていました。 なかなか深いお話です。 冬の山の寒々とした雰囲気が絵からにじみ出ていて、この絵本はとっても寒い日に炬燵であったかい物を飲みながら読みたい作品だな。と思いました。 ただ、字が多く、ページ数も絵本のわりに多い作品です。 きちんと考えながら内容を把握するためには、高学年から中学・高校生にお薦めします。 (絵を楽しむだけなら、小学校中学年からでも大丈夫だと思います)
投稿日:2011/09/30
大人にぜひ読んでもらいたいです。 ある日、捕まえられたクマがひげをそらされ、服をきさされて 工場で働かされます。 最初は、クマなのになぜ?と思っていたクマ。 最後は、クマだと認められ、山に戻れたけれど、冬眠の仕方も忘れてしまいます。 読み終わった時は、複雑な悲しい気持ちになりました。 ルーティーンでただ日々を過ごしているだけになっていないだろうか? 自分で考える力を持ち続けているだろうか? 自分の大事なことを忘れていないだろうか? 色々と考えさせられます。 なんとも深い一冊です。
投稿日:2011/09/12
タイトルからコミカルなお話かと思い読みましたが、とてもまじめなメッセージの詰まった作品でした。 人間の自然破壊のとばっちりをくう熊。 冬眠している間に森の木は切り倒され、人間がだけが恩恵を受ける為の工場が建てられてしまっていました。 春に目覚め、跡形もなく消えた森に呆然としている熊。 そこへ工場の職長がやって来て「とっとと仕事につけ」 「ぼくは くまなんだけど・・・・・・。」と答えても一蹴され、人事課長、副工場長、工場長、社長までまわされ、終いには熊であることの証明を求められ、人間に飼い慣らされた動物園やサーカスの熊たちに面談するも、仲間じゃないと拒絶され、・・・。 ここまで読んで、自然破壊への警鐘だけではないメッセージも感じました。 突然遭遇した悲劇の前に、大きな力に抗う術もなく、「これで良いのか?」という自問自答を繰り返す日々の熊の姿に、日常の中にかつて抱いていた大志が埋もれて行くことに不満を押し殺し暮らしている人間社会の縮図を見る思いもしました。 さらに、冤罪で捕らわれた人・大きな誤解を受け一人弁解に回りようもない世の中の冷たい目にさらされる不幸に襲われた人の姿も想像してしまいました。 世の不条理に流されて、嫌と言うほど知らされる己の非力さ、そして空しさが熊の言葉から伝わって来ます。 まずは、自然の恵みに対する人間の傲慢な奪取についてへの強い抗議として受け止め、再読しました。
投稿日:2010/12/19
タイトルと表紙の絵の面白さで手に取ったら、とても読み応えがある絵本だった。環境破壊・アイデンティティの喪失・ブルーカラーとホワイトカラー。くまとくまの間にも住む世界によって深い溝がある。この作品が、1978年に出版されていたことに驚き。今読んでもとても新鮮。「自分はなんだろうか?」と改めて考えさせられた作品だった。恐るべし、絵本。
投稿日:2007/03/28
白熱電球の明かりの薄暗い洗面所。 鏡にむかって、おとなしくひげを剃っているくま。 鏡の中には、後ろで睨む監視員の目。 全体のイメージは、暗くてさみしい。 冬眠を邪魔されたくまのように、ボーとした雰囲気の中に、 鋭い社会批判が込められている。 子ども達がどこまでこの作者の意図するところを読み取れるかは、難しいところだろう。 絵本にはめずらしく、社会的意味を持つ、硬派の作品である。
投稿日:2006/11/08
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