「あからん ことばさがし絵本」 ママの声

「おでんさむらい」シリーズや『おふろやさん』など、西村繁男さんの描くレトロな雰囲気のするイラストが好きです。こちらも西村さんのイラストをたっぷり味わえる作品でした。
タイトルの「あからん」ってなんのことだろう？と思ったら、５０音の「あ」から「ん」のことでした。
「あんぜんちたいで あさのあいさつ」と言ったように、韻を踏んだフレーズとともに、その文字で始まる言葉の絵が描かれます。
馴染みのある言葉だけでなく、ちょっと難しい言葉まであるので、大人も一緒に楽しめました。

50音それぞれに、それぞれの文字を用いた標語のような文章が添えられています。
でもよくみると、その文章以外にも、同じ文字から始まる絵がいくつかあるのがわかります。
これを探すのが、なかなか楽しい！「あ、これもそうだ、これも！」そんな感じです。
各ページ10〜20個くらいの単語が隠れていますが「な」のつく単語が意外に少ないのが驚きでした。

おもしろかったです。
タイトルの「あからん」……、知り村さんの絵本だし、関西弁でダジャレでも描いたのかな〜「ことばさがし絵本」とあるし。なんて、思って開いてみたら（笑）
五十音を楽しむ絵本でした。

読み聞かせで全部読むのは、時間的に難しいと思うので、
お教室に入れる１０分or１５分の中で、一緒に紹介する本と関連のありそうな行（たとえば今日は「カ行」のところだけ一緒に読もうね〜。とかって使い方をしてみたり、
早口遊びに使ってみたり、どちらにしろ参加型にしてみんなで声を出したほうが楽しそうです。

個人的に思わず笑っちゃったのは、
　むすめに
　むこうずねを　けられた
　むさしぼうべんけい
　むねん

この最後の“むねん”がいいですよね。

題名でひるみますが、要は、あ→んの一文字ずつ、言葉集です。
文章もそれぞれ一文字にこだわったもので、意味がつながるのも面白いですね。
強引な設定だからこその奇跡の？コラボも面白いです。
水牛とストーブが相撲なんて！
手ぬぐいから天丼が出る手品？
西村繁男さんのひょうひょうとした絵が盛り立てますが、
もちろん、あちこちには、隠れたアイテムがあるので、その言葉を探す趣向です。
基本的に日本物なので、滋味深い味わいです。
もちろん、自分たちで開拓する余地はあります。
やや高度なアイテムもあるので、小学生くらいからがいいと思います。