てんごくのおとうちゃん」 パパの声

てんごくのおとうちゃん 作・絵:長谷川 義史
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2008年11月
ISBN:9784061323872
評価スコア 4.8
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  •  亡くなった父親に「はいけい、てんごくの おとうちゃん、げんきに してますか。」と手紙をつづるように描かれていく、絵本作家長谷川義史さんが2008年11月に発表した絵本の名作です。
     作品のよさもありますが、なんといっても長谷川ワールドが全開です。
     大阪弁で綴られている「てんごくのおとうちゃん」への手紙、昭和の雰囲気あふれた絵。
     長谷川さんは昭和36年、大阪に生まれていますから、ここには長谷川さんが見た昭和の思い出が詰まっています。

     胸にぐっと迫るのは、少年とおとうちゃんの微笑ましい思い出を描いたところではありません。
     おとうちゃんが亡くなった日、みんなが泣いている時、少年は「なんか わかれへんけど」庭に吐いてしまいます。
     少年にとって、大好きだったおとうちゃんの死であっても、何かとてつもなく恐ろしいものだったのです。
     人はそういう経験をしつつ、大人になっていく。
     ここはとても大切な場面です。

     さらに、みんなに「かわいそうに」と言われるたびに少年は自分よりおとうちゃんがかわいそうとちがうやろかと思います。
     少し視点を変えてみると、本当の世界が見えてきます。

     「はいけい、てんごくの おとうちゃん、ぼくは もうすぐ よねんせいに なります」、
     だから、心配しなくても大丈夫とおわる最後のページの絵は、おかあちゃんの肩を叩く少年でした。

    投稿日:2021/06/20

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  • 世のお父さんに読んで欲しい

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    長谷川義史さんの2008年の作品で、ご自身の実話。
    お父さんとのエピソードが一つ一つ大切に綴られている、長谷川義史さんの渾身の一作と言えるもの。
    私にとっては、正に珠玉の1冊と言える作品であり、心の宝物となっています。

    物語は、
    「はいけい、てんごくの おとうちゃん、
    げんきに していますか?」
    で始まります。
    これを読んだだけで、私はもう駄目です。
    自分自身と照らし合わせてしまい、子供達と、こんな風に1つ1つのエピソードを紡ぐことができているのか?自問自答してしまい、反省することしきりだからです。

    長谷川少年は、こう言います。
    ぼくは
    「かわいそうに」と ひとに
    いわれるたびに おもうねん。
    ぼくより おとうちゃんが
    かわいそうなんと
    ちがうやろかって。

    子供って、周りの大人が思うよりも、現実を見据えることができるのかも知れません。
    でも、この一言は、心の琴線に触れるもの。
    こんなことを、子供に思ってもらえるパパでありたい、心からそう思えてなりませんでした。

    長谷川さんの描く世界は、昭和に彩られていて、私自身と重なる部分が多くいつも自分自身が感情移入してしまいますが、特にどっぷりと浸かってしまった感じです。
    背表紙のセピア色の家族のポートレート、おめかしして出かけた動物園でしょうか?
    確かに、自分自身が子供の頃、何故か動物園に行くときに、おめかしして出掛けた記憶があります。
    文中のセピア色の部分は、天国のおとうちゃんとの再会したシーンですが、これも実体験とのこと。
    不思議な体験は、子供の頃ってあるもので、信じれる気がします。

    どのシーンをとっても、釘付けにされていましました。
    ただ、残念なのは、子供に読み聞かせできないこと。
    とても平常心で読み聞かせできるとは思えないからです。
    世のお父さんに、是非一読して欲しい作品です。

    投稿日:2011/12/24

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  • 読みたいけど、息子には…

    小学校で父親をなくした男の子。
    その子が、天国のおとうさんへの手紙を書きます。
    楽しい思い出。怒られた思い出。失敗したこと。
    悲しいことだけど、この子はお父さんの死を乗り越えたと思う。

    楽しい思い出に変え、お父さんを懐かしみ、「心配しないで下さいね」って…。

    長谷川さんの、ラフな絵がこの本にピッタリです。(これは意図したことに違いない)。
    お父さんに似た人に会った時のセピア色。裏表紙のモノクローム。
    おおざっぱのようでいながら、繊細なところが長谷川さんの素晴らしいところです。

    どこかで読み聞かせに使いたい本で読み時を思案中。
    息子一人には読めないな。
    それだけが残念な絵本です。

    投稿日:2009/07/08

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