100万回生きたねこなかなかよいと思う その他の方の声

100万回生きたねこ 作・絵:佐野 洋子
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1977年10月
ISBN:9784061272743
評価スコア 4.62
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  • 普及の名作であり、the大人が読む絵本というイメージもある作品。紹介文にある
    『これははひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば子供もまた楽しむことができるよう。それが絵本の本質であるはずだ。そしてこの作品は絵本の本質を捉えている』

    という言葉があります。

    ちょっとわからないけど、以前読んだ絵本『ぼくを探しに』の後書きにも似たような事が書いてあるのを思い出しました。


    ___________________


    『逆に子供にはこの絵本が示しているような子供の言葉では言い難い複雑な世界が必要なのではないか。その世界を言い表す言葉を探す事、これも子供にとってはmissing pieceを探すことに当たる』

    ぼくを探しに 倉橋由美子訳 あとがき
    ___________________
    .
    『100万回生きたねこ』この絵本は良心的な人・非道な人、関係なくねこは自分以外を好きになれず何度も何度も”生まれては死んで”を繰り返してきて、ある日、1匹の猫に出会いはじめて自分以外の他者を愛することができたねこのお話。

    誰かを愛することができず100万回死んでは生き返ったねこが、初めて愛する猫が現れて、初めて愛する猫が死んで、死を悲しみ、自分も死に、生き返ることがなかった。

    誰も愛せなかったねこは、100万回生きてても死んでるようなものだったのかな??

    鬼滅の刃の煉獄さんのことばに
    .

    __________

    ”老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ 老いるからこそ死に、だからこそ 堪らなく愛おしく 尊いのだ”

    __________

    という言葉があるけど、ねこは
    生きること=死ぬことの尊さを知らなかったから本当の意味で死ねずにいたのかもしれない。
    生きること、死ぬことの尊さを知れたから成仏という意味で死ねたんじゃないかな。そう考えたらねこは実体のある幽霊みたいなものだったのかな、と考えたし、ハッピーエンドとは言い切れないけど良いお話なのではないかな????

    あまり決定的な答えがある作品ではないので
    解釈は人それぞれ違いそうでいろんな人の感想をみるのが楽しそうな作品です。

    佐野洋子先生は超超有名な絵本作家先生なので他作品もまた見てみたいと思います??

    投稿日:2021/09/23

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  • 100万の一生

    • りん子さん
    • 20代
    • その他の方
    • 埼玉県

     「生きる」って、なんだろうと思う。私の周りでは「死にたい」「死んだ」という言葉が飛び交っている。それはとても軽く、いう人もきく人も、そよ風のように受け止める。本気で死にたいと思っている人はいないし、「死」といういつでも誰にでも起こりうる出来事がぼんやりとしか認識できていないようにも思える。
     私はよく「消えたい」と思う。死にたいわけじゃなくて、消えたい。楽しいことも辛いこともある日々をなんとかこなしていくことに疲れて、特別やりたいことがない未来への不安を抱えきれなくなりそうで、いてもいなくても同じなんじゃないかと自分の存在価値がわからなくなって、消えたいと思う。生きていた痕跡全部、家族や友だちが私の記憶全部、消したいと思う。生きてるんじゃなくて、生かされてる感覚。
     『100万回生きたねこ』は私が生まれたときからずっと家にあって、皆が知ってる有名な本なのに私は一度も読んだことがなかった。レビューコンテストの課題図書で唯一知っている本だったから、何かの縁を感じて読んでみることにした。比喩でもなくどうやら本当にねこは100万回生きたようだった。飼い主に愛されて、世界中廻って、色々な経験をして、死んで生まれて、生き続ける。私には手の届かない特別感。ねこが死ぬと、飼い主は泣くのだ。こんなに愛されて、いいなあと思った。
     しかし、恵まれているように見える特別なこのねこは、嫌いな飼い主に飼われ続けて、灰色の一生を呆気なく終え、またその繰り返し。どんな地獄だろうと思う。輪廻転生は罰なのだ。楽しみもなく生き甲斐もなく好きな人もいない一生が、死んでも死んでも終わらない。全てのページで、ねこは愛らしい姿をしている。ピンと伸びたひげ、ふわふわの毛並み、小さな四本足、青い瞳。だけれどその目は口は笑っていない。
     ねこが自分のねこになったとき、初めて笑ったように見えた。つまらなさそうにあくびをして、自信たっぷりに宙返りをして、満ち足りた顔で白ねこの隣にいて。私は27ページの絵がいっとう好きだ。広々とした草原、幸せそうな二匹のねこ、穏やかな空気。100万回生きてきて、こんなに満ち足りた表情は初めてしたように思う。また、愛するものを亡くしたとき、ねこは初めて涙する。自分が死んで飼い主が泣いたとき、一度も泣いたことなどなかったねこが、他者のために涙する。
     ねこは100万年間ずっと生きてなかったんじゃないだろうか。痛みも恐怖も喜びも安心も感じない、そんな時間を生きているといえるのだろうか。自分が自分のものとなり、愛する人と共に過ごし、喜びも悲しみも全て受け止めて、生まれて初めて、生きることができたんじゃないか。生まれて100万年経って初めて、生きることができたんじゃないか。
     それなら私は、と思う。喜びも悲しみも経験してきたつもりだけど、涙するほどの幸せや食事も喉を通らないくらいの傷は負っていないかも知れない。私もこれから先、白ねこのような人と出会えるだろうか。ねこのように、自分が変わるくらいの激情を持ち、生きることができるだろうか。私は100万回も生きられないから、この生の終わる前に本当の意味で生きることができればと思う。

    投稿日:2018/11/30

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  • 人生の本

    人間が嫌いな猫が主人公の、大人向けの絵本です。
    主人公は猫ですが、人が生きていく間に学んでいく事や目の当たりにする色々な事がちりばめられた作品だと思いました。

    人間が嫌いなのに、何度生まれ変わっても「飼い猫」になってしまう不運
    →人は生まれてくる環境を自分で選べない。


    100万人もの飼い主に出会ったにも関わらず、どの飼い主の事も好きになれない
    →人の基本的な性格や本質は変わらない。100万回生まれ変わったとしても。


    白いメス猫との出会い
    →自分を大きく見せなくてもいい、ありのままの自分を受け入れてくれる相手に出会えることは奇跡。100万回生まれ変わってやっと実現するくらい大変なこと。


    白いメス猫の死
    →どんなに大切な人でもいつかは死んでいなくなってしまう。自分が先か後かは運次第。


    読む人の年齢やこれまで歩んできた人生によって、
    感じ方がかなり変わってくる作品だと思います。
    深いです。

    投稿日:2018/11/02

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  • 『しろねこ』を探す旅

    • かよたさん
    • 20代
    • その他の方
    • 東京都

    100万回も死んで、100万回も生きた猫。
    100万人の人が猫の死に涙しましたが、猫は死ぬのなんか平気でしたし、泣いたこともありませんでした。
    ある時、猫は誰の猫でもない野良猫となり、一匹の白猫に恋をします。

    小さい頃に読んだことのある絵本。
    その頃の印象は『なんだか怖い本』でした。
    何がどう怖かったのかは今となってはもう覚えていないのですが…。

    大人になって改めて読んでみて、このお話を少し理解できた気がします。
    お話の最後、ねこはもう決して生き返らないのですが、それでもねこに『よかったね』と声をかけてあげたくなりました。
    愛するものができ、守るべきものができるということを、弱いと感じるか強いと感じるか、またそれを幸せと感じるか不幸と感じるかは人それぞれだとは思いますが、皆そんな『しろねこ』を探す旅をしているのかもしれませんね。

    投稿日:2011/08/26

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  • 子育て真っ最中に・・・

    絵本が大好きな姉からの贈り物として私の子供たちの誕生日やクリスマスには数冊の絵本が我が家にやってくるようになりました。

    遊びの一環で絵本を読み、寝る前の約束で本を読み・・当たり前のように子供と私のまわりのはいつも絵本がありました。

    あるときやってきた絵本が『100万回生きた猫』でした。

    夜ねるときに子供に何気に読んでいると、なぜか涙が溢れてあふれて・・読めなくなるほど涙でいっぱいになりました。

    自身が子供もころに読んでもらった絵本や字を覚えるきっかけになった絵本や大好きな絵本はありましたが、この絵本との出会いはいままでの
    私自身の絵本の見方を変えてしまうほど大きなものでした。

    かけがえのない存在、本当に大切なもの、誰かを愛すること
    大切なものを失う喪失感・・・子育て真っ最中でへとへと、いらいらしていた私の心にふっと優しい息をふきかけてくれました。

    子供たちはまだ小さくて理解できない部分もあるかもしれません。

    子供たちも今は高校生と中学生。もう絵本を読んであげることは
    ありませんが、今もリビングの本棚に絵本たちは並んでいます。

    いつかその表紙を自分自身で開いてくれるときを待っています。
    (私が一番それを願っているのかも知れません)

    もちろん『100万回生きた猫』も。

    この本は大切な何かを問いかけてくれる本でもあるのでは
    ないでしょうか?(ある意味大人の絵本だと思っています)

    子供たち、ご主人への思いをもう一度 いいえ何度でも
    確認するために どうぞ読んでみてください。

    投稿日:2010/10/15

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  • 愛を知ること

    • コルクさん
    • 20代
    • その他の方
    • 埼玉県

    100万回生きて、100万回死んだねこ。
    100万回誰かのねこであったのに、誰1人として好きにならなかった。
    自分が大好きで、他のものには興味も持たなかった。
    自分が死んで泣いている人間をみても、なんとも思わなかった。
    でも―。
    自分に見向きもしない、白美しいねこ。初めて感じた想い。
    「そばにいてもいいかい」
    このセリフが本当に好きです。
    自分を好きになって!とかそういうことではないんですよね、誰かを愛するって。
    そばにいたい。
    それだけで十分なんです。
    自分以外の誰かを好きになれるって、すごく素敵で大切なこと。
    「ねこは、白いねこと、いっしょに、いつまでも生きていたいと思いました」
    この一文はすごく重要で。また生まれ変わればいい。ではなく、「生きていたい」という気持ち。100万回生きたねこは、ようやく本当の幸せと出逢うことができたんだと思います。
    そして訪れる永遠の別れ。
    100万回生きたねこは、初めて泣き、初めて大切な人(ネコですが)を失う悲しみを知ります。ここにやっと、今まで自分が死んだときに泣いてくれた人たちの気持ちが理解できたんですね。
    もう生き返る理由を失くしたねこは、二度と生き返りませんでした。
    切ないんだけど、すごく愛のあふれた作品だと思います。もう生き返れなくても、ねこはこの上なく満たされた気持ちで死んでいったことでしょう。
    悲しみを知ることは、同時に幸せを知ることなのかもしれません。(その逆もまた然り・・・)

    個人的には大好きな絵本なのですが、子供に読ませると考えるとうーん・・・と感じたので、☆4つです。
    泣くことってすごく体力を使うし、泣きつかれて死んでしまうっていうのは残酷なような気が・・・
    感受性の豊かな子は結構トラウマ?になってしまいそうです(^^;
    (実際私は、初めて読んだ中3で「これって絵本だよね」とちょっと放心でした)

    投稿日:2006/06/26

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  • 手に取ってくれる日を待ちたい。

    この絵本は大人向けの絵本ではないでしょうか。

    小さいころに読んでもらった記憶があるのですが、当時はそれほど好きな絵本ではありませんでした。
    なんとなく、怖い絵本という印象がありました。
    きっと、愛することや死などがよく分からなかったんでしょうね。

    でも、21歳の今、改めて読んでみると、まったく印象はかわりました。
    100万回生きたねこが愛を知ることで変わり、最後に死を迎えるシーンでは涙が出てきました。

    子どもの中にも、すんなりとこの世界に入れる子もいれば、なかなか理解できない子もいると思います。

    いい絵本だからという理由で押し付けるのではなく、わたしはこの絵本をそっと本棚に入れておき、子どもが自ら手に取ってくれる日を待ちたいと思いました。

    投稿日:2006/04/22

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  • 深くて難しい・・・

    • MYさん
    • 10代以下
    • その他の方
    • 東京都

    この作品はあまり子供向けではないと思います。
    大人になってもう一度読むための絵本。そんな感じがしました。

    私は死にネタにはやっぱり気持ちが沈みました。
    この死はハッピーエンドなのか
    バットエンドだったのか私にはよくわかりません。
    どんな死でも良かったとか嬉しいとは思えないから。
    どっちかというと面白いから何度も読み直したくなるのではなく
    難しいから何度も読み直したくなる絵本な気がします。

    投稿日:2004/08/23

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  • 心に残る絵本です

    • るかさん
    • 20代
    • その他の方
    • 東京都

     この本はこころに残る一冊です。
     わたしは絵本が好きな大学生で、よく本屋で絵本を立ち読みします。この本に出会ったのは確か高校1年の頃だったと思います。当時この本が雑誌か何かで話題になっていて読みました。でもその時のわたしの感想は、「話題になるほど凄くない…つまんないじゃん…だから何?」というものでした。
     しかし、何年かして、ふとこの絵本を思い出すときがあるのです。今なら『100万回生きたねこ』の気持ちがわかる気がするのです!きっとわたしが、色々経験し成長したからではないでしょうか。
     だから、推薦したい絵本なのです。この本を読んだ子供がいつか大人になったときに、もう一度心に残る…そんな絵本だからです。

    投稿日:2003/01/05

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