日本への原爆投下を肯定派と否定派の立場で討論するという、とても奥深い話です。
この討論において、戦争肯定者は居ないのですが、日本が原爆投下による被害者であるという観点と、日本も中国において無差別虐殺を行った加害者でもあるという観点とを浮き彫りにして、戦争そのものが悪であることを深掘りしながら、問題意識を高めていきます。
戦争が必要悪であるとか、核開発の必要性とか、議論が感情的になった時に、かなり危険性のある部分も感じるのですが、架空の物語でありながら、まさに現在の国際情勢につながるシミュレーション的な作品であることを感じます。
戦争を知らない世代に、しっかりと読んでほしい作品です。
著者にとってはとてもつらい執筆作業だったのではないでしょうか。