相国寺の美術館で出会った、伊藤若冲が描く圧倒的な生命感。いつかこの感動を我が子と分かち合いたいと願いつつも、その世界の深遠さに「まだ早いだろう」と、どこかで諦めていました。
そんな時、この絵本の存在を思い出しました。本書は、国宝「動植綵絵」を、生き物たちの壮大なかくれんぼの舞台として見立てます。この素晴らしい発想の転換が、私の躊躇いを吹き飛ばしてくれました。
親子でページをめくりながら「ニワトリ!」「トンボはここにいた!」と声を上げました。緻密に描かれた命の数々を、子供は遊びとして発見し、私はその画力に改めて感嘆する。同じ絵を前に、親子がそれぞれの視点で楽しみを共有できました。
専門的な解説書ではなく、アートとの「遊び」を提案してくれる本書は、大人の感動を子供の喜びに繋ぐ、架け橋となってくれました。