宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊」 みんなの声

宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊 作:宮沢 賢治
絵:あべ 弘士
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2007年10月
ISBN:9784895881159
評価スコア 4.43
評価ランキング 12,242
みんなの声 総数 13
  • この絵本のレビューを書く

立場で選ぶ

並び替え

13件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 2 次の10件 最後のページ
  • 熊と猟師の因果

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子20歳、男の子17歳

    宮沢賢治の有名な童話に、飼育係の経験がにじみ出てた動物画のあべ弘士さんが絵を添えています。
    なめとこ山の熊を仕留めるのが、猟師小十郎の仕事なのです。
    貧乏ゆえ、それしか家計を支えるすべを持っていなかった訳です。
    その様子が、語り手による第三者の視点で綴られます。
    熊との対峙、荒物屋で安値で買い叩かれる光景、そして、壮絶な最期。
    宮沢賢治の思想が深く反映された作品です。
    狩猟という、生死の淵での仕事を、小十郎は因果だと位置づけ、
    対峙する熊とも心を通わせます。
    教科書でも、小学校高学年以上で取り上げられているようですね。
    生命について考えさせられる、とても奥深い作品です。
    それぞれの情景が、あべさんの力強い絵でさらに豊潤となっているように思います。

    投稿日:2013/10/17

    参考になりました
    感謝
    0
  • 大自然と搾取という現実

    熊を撃ってその皮と胆を売って生きている小十郎という男の話です。

    他に現金収入にすべき仕事もなく、熊に申し訳ないと感じながら、詫びながら、熊を撃つ毎日がしみじみと描かれています。いっぽうで、その熊の皮と胆を売りに町へ行くと、荒物屋に不当に安く買いたたかれる様子が腹立たしげに描かれます。

    何か他の方法(他の商人に売るなど)を見つければ良いのにという「僕」の意見には読者も同調してしまいます。ところが小十郎は、安く買いたたかれても、その後で荒物屋にご馳走になることですっかり機嫌良くなっているようです。そのあたりが、彼の無知ゆえの愚かさへの哀れみを誘い、読者はますます腹立たしくなってきます。

    最後には熊を撃ち損ねてかえってやられて死んでしまいます。今度は熊が彼に同情するかのような場面が描かれ、大自然の雄大さが感じられますが、同時に、すでに彼が息子と嫁を赤痢で亡くしていること、九十歳になる母親と七人の子供を養わなければならない立場であることを知っている読者は、この後、彼の家族がそれまで以上に貧しく苦しい生活をしなければならないことを想像し、やりきれない気持ちになるのでした。

    読後に重たい感触が残る絵本でした。

    投稿日:2010/10/30

    参考になりました
    感謝
    0
  • 熊と小十郎の因果

     熊の命としっかり向き合って、熊の命をいただく小十郎。
     「てめえも熊に生まれたが因果なら、おれもこんな商売が因果だ。
     やい、この次には熊なんぞに生まれるなよ」という小十郎の言葉が印象的でした。熊の耳に届いたでしょうか。死に際の熊の表情が深いなと思いました。

     満月の下で、亡くなった小十郎を取り囲む熊たちにしみじみしました。小十郎に殺された熊も小十郎自身も、みんななめとこ山の自然に帰って行くんだなと思いました。

     あべさんの描かれる熊には、野生の厳しさが感じられます。お話にぴったりの絵でした。

    投稿日:2010/10/27

    参考になりました
    感謝
    0

13件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 2 次の10件 最後のページ

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

この作品にレビューを投稿された方は、こんな作品にも投稿しています

はらぺこあおむし / しろくまちゃんのほっとけーき / きんぎょがにげた / どろぼうがっこう / いないいないばあ / もこ もこもこ / がたん ごとん がたん ごとん / 宮沢賢治の絵本 注文の多い料理店 / しゅくだい / 宮沢賢治の絵本 雪わたり

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ

  • ひつじシステム
    ひつじシステム
    出版社:小学館 小学館の特集ページがあります!
    めくるめく羊の世界!羊を数えると眠れるらしい。羊が1匹、、2匹、…108匹、ちくわ!、そうめん!?…


児童書出版社さん、周年おめでとう! 記念連載

みんなの声(13人)

絵本の評価(4.43)

何歳のお子さんに読んだ?


全ページためしよみ
年齢別絵本セット