宮沢賢治の絵本 やまなし」 みんなの声

宮沢賢治の絵本 やまなし 作:宮沢 賢治
絵:川上 和生
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2006年10月
ISBN:9784895881142
評価スコア 4.5
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27件見つかりました

  • ある意味生きているもの

    小学生の国語の授業で読んでから「クラムボンって何なのだろう…」と、ずっと思っていました。

    大人になって読み返してみても、はっきり何かはわかりません。
    泡かな?とは思うのですが…

    単純に考えて泡だとすると、かにの兄弟の会話は、いかにも子どもらしく純粋でロマンチックだなぁと思います。
    まるで生き物として、クラムボンを見ていますね。
    泡の音が、笑い声に聞こえたのかしら…

    クラムボンはわらったよ
    クラムボンはしんだよ

    泡は儚いものですよね。
    掴む事もできないし、 触れても簡単に壊れてしまう
    二匹の目には、それが美しくて悲しい不思議なものに見えたのかもしれません。

    かにのおとうさんの言葉も、とても印象的でした。
    「お魚はこわいところへいった。」は、大人でもドキッとします。
    意味がわからない子どもだって、少しはわかっているかもしれない…。

    五月のかにの兄弟の会話には、一言も泡という単語が出てきません。
    しかし十二月には「やっぱり僕の泡は大きいね。」という会話がされています。

    五月のクラムボン、十二月の泡。
    これが「クラムボンの正体がわかった」という意味ならば、かにの兄弟もそれだけ成長しているということで、なんだかとても嬉しくなりました。

    小学生の頃、やまなしの好きな場面を絵に描くという授業で、私は「川の中に落ちたやまなしを、かにの兄弟が下から見上げている」という場面を描きました。
    自分で描いたのですが、今でもその絵が大好きです。

    川の中には怖い鳥だけじゃなくて、こんなに素敵なものも降ってくる

    どの世界にも美しいものと怖いものがあるんだなぁ…と、当たり前だけど改めてそう感じました。

    投稿日:2014/06/25

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  • 幻想的な情景 受賞レビュー

    • まち子さん
    • 30代
    • ママ
    • 大阪府
    • 男の子8歳、女の子5歳

    小学校の教科書に載っていて、当時のことを懐かしく思い出しました。
    「クラムボン」という存在が特に衝撃的で、友達と「クラムボン」のマネ(もちろん想像ですが)を見せあいました。
    私はたぶんクラゲのような水の泡のような透明で幻想的な物を想像していたと思います。
    谷川の底までとどく青い光、澄んだ水、清涼感、静かで幻想的な世界・・・
    やまなしの中でできるおいしいお酒の匂いや味もいろいろ想像しました。
    お父さんカニの優しさも感じました。
    心を強く刺激して様々な感性をかきたてる作品です。

    投稿日:2014/06/21

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  • わらったよ

    小さい頃に読んだ、クラムボンがわらったよ、、このクラムボンという響きがなんとも澄んでいて、子ども心に何だか異国の言葉を知ってしまったかのような感覚になりました。いろいろな人が絵を描いていますが、この方の絵は澄んでいてイメージにピッタリでした。川の中に光がさしこむシーンは見ていても心が癒されます。文字だけでも素敵だけど絵がついていると想像力がぐんと広がりますね。水の音までも聞こえてきそうです。

    投稿日:2014/06/19

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  • 3歳3ヶ月の息子に図書館で借りました。
    ちょうど、今Eテレの「にほんごであそぼ」での歌が、
    「クラムボンがわらったよ クラムボンはかぷかぷわらったよ」というもので、
    息子がその歌が大好きなので。

    まだ、3歳の息子には難しい本だと思います。
    しかし、水底からカニたちが見る、水の中や外の世界を表す宮沢賢治の表現、、これが独特で本当に素敵なのです。
    3歳だとまだ分からないことが多いかもしれないけれど、
    その表現を身体で感じてほしいと思いました。

    私は、川の中に、日光が差し込んでくるところの表現が好き。
    人間はまったく体感したことがなく、
    魚やカニになってみないとわからない光景。
    水中ハイスピードカメラで川の一年を移した映像が思い出されました。

    また、この本は、絵が好き。
    透き通ったの川をよく表しています。
    カワセミが魚をとったあと、波紋が起きている水面の絵がいい。
    まあ、この絵本を見る前の、私のイメージとちょっと違っていますが。
    (もっとキラキラしたイメージでした)

    幼い子どもにとって、絵はとても大切な本の要素です。
    私は、絵で絵本を覚えていて、
    今でも「これは読んだことがある」とわかります。
    そして、自分の血となり肉となっている気がします。
    そういう面でも、この絵の透明感のある水底から見た表現はいいと思うのです。

    息子は、カニの親子の会話が好きだったようです。
    魚が登場するところ、カワセミが魚を食べてしまうところにも興味を示していました。
    また、「かぷかぷわらったよ」という表現も好きなようです。

    息子に何度も何度も読みたい絵本だと思いました。
    3歳でも身体で文章と絵を感じてほしいです。

    投稿日:2014/06/16

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  • 心に残る、名作です 受賞レビュー

    小学校一年か二年生の時、このお話が教科書に載ってました。

    クラムボンは笑ったよ。クラムボンは、かぷかぷ笑ったよ。
    不思議なフレーズから始まるこのお話。
    全編にわたって、賢治ならではの、美しく不思議な描写により、水面に届く光と、やまなしの綺麗な色合いが、頭の中に浮かんできました。

    絵本になるなら、そのイメージを壊さないものが嬉しいのですが、淡い色合いが何とも言えず、雰囲気に合っていて、素敵だと感じました。

    宮沢賢治の入り口としては、ふさわしい一冊だと思います。

    私は大好きな一冊です。

    投稿日:2014/06/07

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  • 大好きなお話なので・・

    表紙の絵に惹かれてサイン本を購入。とても綺麗で好きな絵なのですが、このお話には個人的にはもう少しぼんやりとしていて抽象的な絵の方がいいなと思いました。かわせみもやまなしも、お父さんの言葉で正体が分かる前に絵が出て来てしまうのでは想像力を奪ってしまうのでは・・・「白い樺の花びらが天井をたくさんすべる」下から見上げた絵も欲しかったです。

    投稿日:2013/12/20

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  • 谷川の底に広がる世界

    宮沢賢治の作品を読みあさっています。
    初めて読む作品でしたが、まるで時間の経過を忘れてしまいそうに
    なるぐらい、ゆったりとした気持ちで読むことが出来ました。

    小さな谷川の底に広がる、ゆったりとした世界。
    柔らかな青を基調とした絵が、さらにその世界観を広げてくれています。

    カニの兄弟が話している「クラムボン」とは、賢治の造語とのこと。
    意味はわからないのに、なんだかわかりそうな気がして、それもまた
    不思議な感覚でした。

    カニの兄弟の目の前で起きた出来事は、生命の巡りの1つであること。
    そして、トブン、と谷川へ落ちてきた豊かな実り。
    そのどれもが、淡々と話して聞かせるお父さんカニの言葉によって、
    静かに受け入れることが出来ているように思います。

    まるで賢治自身がカニであったかのような表現力。
    今更ながら、宮沢賢治という人物の凄さに気付かされました。
    私のお気に入りの一冊となりました。

    投稿日:2012/06/05

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  • 音の響きも、情景も。

    • ポピンズさん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子7歳、男の子3歳

    7歳の娘に、フェアで知った賢治絵本のうちいくつかを「読んでみる?」
    「あ、やまなしは、音読したから知ってる」
    幼稚園の時、賢治の『雨にもまけず』を暗唱しましたが、論語や色んな詩の暗唱が大好きで国語塾にも通い始めた娘。
    「やまなし」も読んだとは知らなかったのですが、まだ早いかな、と思った話が絵本のおかげですんなり入り込めたようです。
    教科書にのっていたけど、この絵本ほど、水の中にいる気分に浸れるまでには、当時の想像力ではおぼつきませんでした。
    ページをひらけた瞬間から、私のいるのは水の中。
    最後、絵本を閉じるまで、どっぷり水の中。
    「本はどこへでも連れて行ってくれる」という原点を改めて思い知らされました。
    水の中に佇みたければ、この絵本の世界にさえ入り込めばいい。
    「青光りのぎらぎらする鉄砲玉」その先が「コンパスのように」尖っている、といった表現を、小学生ながら言葉の呼び起こす鮮烈なイメージを感じたのを、思い出しました。
    想像力だけでも、賢治の言葉の力からは、十分強烈な印象を与えられる文ですが(かわせみの下りに関しては、この絵本より昔の印象が上回っていたり)、全体的なイメージは、絵本の力はやはり大きく、小学生でも絵本を教科書代わりに使うセクションがあってもいいのにとふと思いました。
    この間妹が遊びに来た時、そういえば「クラムボンって結局なんだった?」と何かのはずみで会話に上りました。
    「クラムボン」
    不思議な響き。
    又三郎の「どっどどどどうどどどうどどどう」に並んで、ずっと忘れられない強烈な響き、改めて賢治の言葉の持つ力強さに感服です。

    投稿日:2010/11/09

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  • 川底からの風景

    小学生の頃、教科書に載っていました。その頃は、ちょっと意味不明な言葉遣いなどが苦手であまり好きではない題材だったように記憶しています。

    しかし、大人になって読んでみるとまた印象が違いました。川の底の風景がこんなにも美しく綴られていたなんて、幼い頃は気付きませんでした。繊細な青い色合いの絵がその美しさを際立たせています。私が昔読んだ教科書にどんな挿絵がついていたか覚えていないのですが、この絵本には川底から眺めた世界が見事に描かれており、詩の深さをよりよく感じられるような気がします。

    投稿日:2010/11/01

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  • 宮沢さん

    宮沢さんの作品だったのでこの絵本を選びました。美しい絵と文章がぴったりと合っているのが良かったです。かにと山梨の構図も美しく目を見張りました。独特の言葉も登場しさすが宮沢さんの感性は素晴らしいなと感じました。ますます他の作品も読んでみたくなりました。

    投稿日:2010/10/27

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