1983年に着工し、1988年に完成した、インドネシアのチタラ水力発電所の工事の様子を描いた絵本。
1988年刊行。現地の測量〜工事の完成までを、1つ1つ丁寧に描いている。作者は工学博士、技術士でもあるため、地面や構造物の断面や、重機類、技術的な説明をする図などがとても精密に描かれている。
素人でもわかるように、なるべく簡単に説明してくれる。
一部に写真も載っており、巨大な穴を地下に作った様子が、よくわかってびっくりした。
山を切り開いてダムや水路などをつくるので、そこに住んでいる動物たちも登場する。現地の人が働きに来たり、外国から技術者が来たりと、大変に大掛かりな工事であり、影響も大きかったことが伝わる。
人間の生活を便利で快適なものにしつつも、自然環境などをなるべく破壊しないように配慮している様子が伝わってきた気がした。
長い年月をかけて、大規模な工事をすることの大変さと、成し遂げた喜びなどが伝わってきて、素直に感動した。
先人たちの仕事や、苦労、思いを伝える絵本だ。