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しごとのどうぐ(偕成社)
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大金持ちの商人アフマドは、とてつもなく大きくて不思議な生き物を、インドから連れ帰りました。 この噂はあっという間に広がり、村人たちは生き物を実際に見るために、アフマドの屋敷に押しかけました。 けれどアフマドが寝ていたため、見せてもらうことができません。 我慢できない村人たちは、自分たちで勝手に見ることにしました。 建物の暗闇の中では生き物の全てを把握することはできず、村人たちが見たのは、生き物のほんの一部でした。 そして彼らはその一部を互いに主張し、相手の意見を決して受け入れませんでした。 まるで、木を見て森を見ず、という日本の諺のようです。 この絵本は、イランのルーミーという人物が創った詩を基に作成されているそうです。 物事の一部だけを見て知ったかぶりをする人は、どこにでもいるみたいですね。 大人たちがけんかをしているすぐそばで子どもたちがゾウそのものを受け入れている様子が皮肉で、愉快な気持ちになりました。
投稿日:2022/05/19
くらやみで、ゾウの一部分だけを見たものだから、見たものは 自分の意見が正しいと言い張って三人の争いはますます激しく なっていきます。他の人たちも自分の言い分を押し通そうと して誰も人の言うことに耳をかさず、怒鳴りあっては、自分の 言い分を通そうとします。それに似たようなことが、起こりうると 思いました。全体に目を向けて対処する大切さを学びました。
投稿日:2019/11/22
『ELEPHANT IN THE DARK』が原題。 ペルシャのふるい詩から、と副題があります。 ペルシャ(現在のイラン)の詩人ルーミーの詩を基にした再話ですね。 自分の知識が、真実の一部分にすぎないことを、寓話に込めたようですね。 商人アフマドが、インドから連れ帰った不思議な生き物を蔵に入れます。 噂を聞き付けた村人が、暗い蔵を覗いて、その正体を推測するのですね。 もちろん、それぞれが暗闇で知ったのは、不思議な生き物の一部分。 当然、皆の意見が食い違います。 終盤の有様は、その愚かさを暗示しています。 作者のあとがきが滋味深いです。 両者とも、この寓話に込められた思いに共感してこその作品なのですね。 古代ペルシャの細密画も織り込んだ、エキゾチックな絵も魅力的です。 幼稚園児くらいから、感じ取ってくれると思います。
投稿日:2018/05/28
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