これは、名作です!
出会えてよかった一冊です。
かなしむ かえるが おりました
なまえを どびんと いいました
という敬体の短めの文が連綿と続きます。
詩を読んでいるような、心地よいリズムで、思わず物語に入り込んでしまいました。
お話は、おいけがむらのかえるたちの泳ぎの競争に、いつも負けてばかりのどびんは、一度も勝てない負けがえるとからかわれ、しょんぼりしています。
が、悔しさや困惑の中で、冬眠もせず何かを信じ、雪解けの季節を迎えました。
そこで、どびんは、遠いやなぎがむらで、とびつき競技があることを思い出し、柳が芽吹く春を待ち、やなぎがむらへでかけます。
その道のりの、険しいこと・・・・・・。
読んでいて、着く前に倒れてしまわないかと心配しました。
この後の、期待を裏切る残酷な展開が非情にも思えましたが、・・・・・・。
ん〜〜〜、深いですねぇ〜。
結果は、後からついて来る。
どんなに真摯に向き合っていたプロセスかが、大切なのだと教えられます。
それにしても、どびんくんが信じていたものは、きっと自分自身だったのではないでしょうか。
自分自身を信じる(愛する)ことができるのは、やはりどびんくんのおかあさんの育て方にあったように思えます。
そんな子育てを私はできていたのか?と今更ながら振り返ってしまいました。