表紙を見たとき主人公のキッコちゃんを見つめている
動物たちは「赤ずきんちゃんを見ているオオカミのような目」で
見ているようなどこか怖い感じがしました。
読み進めてみると、迷子になっておばあちゃんの所に
ケーキを運ぶキッコちゃんを優しく見守る瞳だったんだと
分かりなんとも言えぬ安堵感を覚えました。
この本は、キッコちゃんが必死にお父さんを追いかけていても
どこか時の止まっているような独特の空気感が漂っています。
そこに在るのはキッコちゃんの白い息だけ。
動物達の存在さえも景色の一つのようにその空気の中に
とけ込んでいるように思えました。
動物達ばかりのお茶会に誘ってくれたしかさんはとても自然。
でもキッコちゃんを見たときの動物たちの眼差しは
その場が凍り付くといった感じ。後一瞬にして
その緊迫した空気もとけてゆく暖かさ。
お話の中でいろんな雰囲気、空気を感じることの出来る
不思議な絵本だと思いました。