丁寧に描かれている作品だと思いました。
三人の息子と、小さな農場を営む父親のお話です。
18見開きの中で、約20年の時の経過が凝縮されています。
父親の働き盛りの時、それを手伝う息子。
天候不順で、家畜も農地も家も手放し、親子で力を合わせ細々と生計を立てなければならなかった時代。
父親の息子たちへ語ったメッセージが素敵でした。
自分で生きていくことの覚悟をしっかりと伝えています。
そして、そのための職業選択を慎重に考えることも。
これこそが、親が自立前の子供たちへ最後にする大きな仕事だと思いました。
子供たちの人生に最後まで寄り添えない親故、一人立ちを後押しするこの言葉が、親の責任として必要だと思いました。
この後の、生け垣の刈り込みをモチーフにお話が展開していくところが素敵でした。
息子たちが巣立った後のおじいさんの生け垣が切なかった。
最後に、驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。