この本は、すごくおもしろかった。
これは、雪の中で人間が落とした手袋に、いろんな動物がもぐりこんでいく話。最初はネズミとか小さい動物なのに、次から次へとすべりこんできて、最終的にクマまで押し入ってきちゃう。ついには人間が取りに戻ってきてしまったもんだから皆、クモの子を散らすように逃げていってしまう。有り得ないほど強引に展開されるので腹を抱えて笑ってしまった。また、沢山の動物が一箇所にかたまっていたら窮屈なはずなのに、それでも温かいてぶくろの中にもぐりたい、皆と一緒にいたい、そんな温もりも感じさせられるので、大人にもおすすめ。
話の筋もいけてるけど絵柄も相当いいと思う。可愛らしさは全然ないけど、動物らしく基本的にみんな無表情で、その無骨さがまたリアルでいい。だんだんてぶくろが膨れ上がってとうとう裂けてしまうのに、誰も「見てみぬふり」してるっぽい場面は特にいい。