娘にもなじみ深い野菜の活躍する話だったので購入しました。
シンプルでかわいいのに品のある切り絵が特徴的です。
夜の間にねずみにかじられたじゃがいもを守るために、
台所の野菜と調理道具が一致団結してねずみと戦う、素朴なお話ですが、
このねずみが暗闇に音もなく登場するシーンが、結構こわい!
他のページはかなり和やかな雰囲気なだけに、思いがけずひやりとさせられます。
このちょっと底の知れない闇の感じは最近の「キッチン」になく「台所」ならではなあ、と
思わず田舎の祖母の家を思い出して懐かしくなりました。
娘のお気に入りは、お皿やお玉など調理器具が奮起するシーン。
日々のおままごとで見慣れているからでしょうか。
反対に、意外にもたまねぎさんやじゃがいもなどの野菜グループには興味も薄く、
オチの、ねずみがたまねぎをかじって涙するところや、
にんじんが恐怖に青ざめて緑色に変色する小ネタも、いまいちぴんとこない様子でした。