「北欧の一休さん」というキャッチコピーがついていたので、とんちで窮地を切り抜けていく話なのかと思っていましたが、相手の言動を逆手に取ってグゥの音も出ないようやりこめる一休さんのやり方とは異なり、ビッケは自分の知識を使って、物を作り出したり、会話で相手の信頼を得たりしていきます。
力持ちだけど間の抜けている大人のバイキング達は、小さなビッケをすっかり頼りにしていて、子供達が読むと痛快な気分になる事間違いなし。
でもビッケのお母さんは、ビッケにうぬぼれてはいけないときちんと言い聞かせ、ビッケは思いやりのある謙虚な少年に育ちます。
「ビッケは、とても親切で、相手を思いやる利口な男の子だったのでした。」という結びの一文が、ビッケの魅力をよく表しています。