にっこり笑うあかちゃんのお顔。
ピンクの表紙をめくると「も・も」、ピンクの桃が出てきました!
次はブルーのお魚「と・と」。そして「く・く」(くつ)や「み・み」(耳)、「て・て」(手)や「こ・こ」(めんどり)。
「ぱ・ぱ」に「ま・ま」、さいごは・・?
あかちゃんのさいしょの言葉があつめられている絵本。
シックな色づかい、シンプルな線、この美しさは、まさにアートです。
作者は、海外でも出版を重ね、世界の子どもたちに愛される絵本を作っている三浦太郎さん。
三浦さんはこんなふうに書いています。
「娘がまだあかちゃんだったころ、「ち・ち」という言葉を繰り返し言う時期がありました。(中略)この「ち・ち」はまだ言葉になる前のかけ声のようなもので、その後話しはじめた「く・く」や「て・て」のようなあかちゃん言葉は意味もあり、大人だって理解できるわけです。ならば、それらをすべて書き出しならべてみると、あら不思議!奇跡的に『あ・あ』と『あー・あー』という2冊の絵本ができました」(作者あとがきより)
2冊とも色がおしゃれでプレゼントにぴったりなのですが、じっさい子どもと読むと、中身のすばらしさがよくわかります。
わが家の5歳、2歳と読むと、意外に、もうストーリー絵本でないと物足りないと思っていた上の娘まで、しあわせそうに1人でめくって声にだし読んでいるのです。
子どもの記憶のどこかにある、はじめて世界をつかんだときのよろこびが、ここには描かれているのかもしれません。
『あ・あ』と『あー・あー』、2冊一緒に、体験してみてください。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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