真っ白でまんまるな体に赤いトサカとエプロンがチャームポイントのコケッコーさん。
コケッコーさんは子だくさん、家事や育児に大忙しなのです。
今日は朝から雪がふっています。部屋の中ではひよこたちがお店やさんごっこをしておおにぎわい。
コケッコーさんもちょっとお手伝いと思って、押入れから布団を出そうとしたら…
「ドシーン!ゴロゴロゴローン!」
ひよこたちの力作がコケッコーさんの大きなからだの下敷きに。
一家に緊急事態の発生です!
怒って押入れに引きこもるひよこたちと、なんとか押入れから出てきてもらいたいコケッコーさんの必死の攻防戦が繰り広げられるのですが…。
最後はコケッコーさんの素敵なアイディアでみんなにっこり!全ては丸くおさまる…かな?
「コケッコーさん」シリーズ、よく見れば見るほど信じられないかもしれませんが、これ、全部実際に作って撮影しているんです。コケッコーさんやひよこたちはもちろん、おみせやさんごっこで作った品物や奥に見えるキッチン、押入れの布団からしまいこんでいる荷物やゴルフのトロフィー(!?)まで。だから、どのページのどの場面でも一度じっくりと見始めると時間を忘れてしまうほど惹きこまれてしまうのです。
更に魅力は何といってもコケッコーさんとひよこたちの豊かな表情。一体一体作っているわけですから、喜んだり驚いたり泣いていたり、目や口の表情もくるくる変わります。おかあさんと小さな子どもたちのにぎやかで可愛らしいやりとりは、本当にそこに一家が存在しているかの様な親近感を持って楽しむことができるのです。
子どもたちにしてみれば、いつか遊びに行きたい近所のお友達の家のような感覚でこのお話を読んでいるかもしれませんね。
シリーズ7作目となる今作には、そのメイキングの映像とコケッコーさんのアニメ映像を収めたDVDが付いている特別版となっています。木から作られていくコケッコーさん、驚きのかろくこうぼうワールドは必見ですよ!!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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