ぼくがみつけた、たいせつな時間『すてきなひとりぼっち』【NEXTプラチナブック】
「うまいじゃん」「すげえ」
そう言われて夢中で絵を描いていると、出来上がった頃にはみんなはもういない。一平くんは、こういうひとりぼっちには慣れている。
「うげっ」
雨の帰り道、誰も見ていないところで転んで、傘が折れて、水たまりで全身びしょびしょになる。そんなひとりぼっちにも慣れている。だけど、今日はちょっとつらい。だって、おかあさんが家の鍵を閉めたまま、どこかに出かけてしまったんだ。なんでだよぉ……。
思いきって街へ出た一平くん、だけどそこには出会いがあり、出来事があり、そして思わぬ時間の発見へとつながっていく。
「あっ!」
ふとしたことで手に入れた、一平くんのたいせつな時間。自分だけの空間。読んでいるみんなは、もう見つけているのでしょうか。なかがわちひろさんが描く繊細であたかな絵童話は、ひとりでこっそり読みたくなるような素敵な出来上がりです。そう、ひとりぼっちも悪くない。読んでいるあの子を、あたたかく見守ってあげてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ぼくがみつけた、たいせつな時間 一平くんの小さな発見をあたたかく描いたものがたり。 一平くんは、絵を描くのが好きな男の子。クラスでもひとりぼっちになりがちですが、ある日、とってもすてきな発見をするのです・・・。 『天使のかいかた』「おたすけこびと」シリーズなどで人気の作家なかがわちひろさんが描く、心にじんわりひびく絵童話です。
転勤族の我が家は引っ越しも何度もしていて、
恐らく子どもたちも
小さいころからの知り合いがいないので
新しい環境でひとりぼっちになることも
あると思い、タイトルにひかれ、
ひとりぼっちも
わるいことばかりじゃないんだよと
思ってもらえればと思い読みました。
思っていたお話と少し違いましたが、
学校だけの世界だけじゃない、
世間は広い、いろんな人がいるよ
と思わせてくれる、すてきなお話でした。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子11歳、男の子8歳)
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