宮沢賢治の絵本 ツェねずみ」 みんなの声

宮沢賢治の絵本 ツェねずみ 作:宮沢 賢治
絵:石井 聖岳
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2009年10月
ISBN:9784895881203
評価スコア 4.46
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みんなの声 総数 23
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23件見つかりました

  • 感謝知らずのネズミがね…

    石井聖岳さんが
    めちゃめちゃツボな本に挿絵をつけてらっしゃいました。
    宮沢賢治のなかでもイケズな作品ですが、かなり好きなんですw

    いやんなネズミが最終的にちゃんとひどい目にあうんですよ〜
    という
    オトナの本でいうとスティーブン・キングの「ミザリー」みたいな展開になるこの本
    (アレ?ちょっと違う?ワタシのなかではわりと類友な話です)
    あんまりかわいらしく描かれちゃうとねぇ…
    ツェねずみが不憫になっちゃうじゃないですか…
    ということで
    石井さんの挿絵は
    ふてぶてしいとことがとってもナイスw
    手描きの「まどうて」山盛りなのがめっちゃコワくて
    ちょっとしたホラーでもあります★

    わっしわっしとダイナミックに描かれた絵のなかでも
    ワタシのお気に入りはねずみ取りです。
    スッキリさせてくれる役割だから、だけではなくw
    表情の変化がハッキリしていて
    そりゃ、こんだけされたら怒って鍵も外れるわな、というのが
    絵を見てるだけでもよくわかります(^^;)

    最後のクライマックスからの絵も
    盛り上がりますよ〜!

    宮沢賢治作品の中では、どちらかというとマイナーですが
    昔話的でわかりやすい内容でもありますので
    集団の読み聞かせにもいいかもしれませんね。
    お試しあれ!

    投稿日:2014/07/01

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  • まどっておくれ。

    恥ずかしながら、今まで宮沢賢治の作品をあまり読んだことがありませんでした。それは、言葉が今と同じ口語ではないし、大概の場合、登場人物の名前が不思議なカタカナ名で覚えられないからです。ところが、そんなイメージの賢治の作品の中で、この話は言葉もとても分かり易くて、子どもにも十分に分かってもらえると思いました。

    ツェねずみみたいな性格の人って、実際いますよね。全てが自分中心で、すぐに被害者面する人... そんな人を揶揄した話なのでしょうか。「まどっておくれ」という言葉は初めて耳にしましたが、こんなことを言えてしまう性格がすごすぎます。そりゃみんな避けますよね。賢治が実際体験した話なのでしょうか。

    すっと心の中に入って来るので、賢治の作品を子供に触れさせるための読み聞かせにお勧めの1冊です。

    投稿日:2014/06/22

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  • かなしい生き方

    じぶんの身に起こった都合の悪いことは、すべて誰かのせい。

    親切が裏目にでてしまうこともあるでしょう。
    でも、本当は、じぶんに対して、親切心をもってくれたことが、一番嬉しいことなのに…。

    ツェねずみのような考え方しかできないって、あまりにもかなしい生き方です。
    哀れなツェねずみ。

    「こんな生き方だけはするなよ」
    どこからか、そんな声がきこえてくるような気がしました。

    投稿日:2014/06/27

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  • ねずみとりさんが好きです 受賞レビュー

    意地の悪いねずみの話です。

    ツェねずみは誰かに親切にしてもらっても、何か災難があるとすぐ相手のせいにします。
    まぁそれだけ災難がふりかかると疑い深くもなるでしょうが、それじゃ周りに嫌われても仕方ないですよね。
    自分は弱い弱いと開き直って、威張ってるんですもの…
    もう誰も、ツェねずみを相手にしませんでした。

    ところが、そんな嫌われ者のツェねずみと仲良くなりたい者がいました。

    ねずみとりです。

    しかもこのねずみとりは、人間よりもねずみの味方なのです。
    そこがおもしろいですね。
    きっとねずみとりもみんなに嫌われていたから、誰かと仲良くなりたかったんだろうなぁ…

    ねずみにとって憎むべき存在のねずみとりを、ツェねずみはあっさりと信じます。
    今までもそう、最初は全く疑わないんですよね。

    お馬鹿なのか…根は純粋って事なのか…

    そもそも自分の行動に責任を持っていたら、こんな風にはならないですよね。
    自分の意思がないから、周りに左右される。
    だから相手のせいにするんですね。

    「ねずみ」と「ねずみとり」
    結末はやはり、こうなる運命だったのですね。
    少し可哀想だけど、ねずみとりに捕まるにはぴったりのねずみだと思ってしまいました。

    ツェねずみはきっと誰かに親切にした事がないから、もう誰も神様も救いようがなかったんですね

    投稿日:2014/06/25

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  • 意地の悪いツェねすみ

    何かイヤなことがあったら必ず誰かのせいにするツェねずみ。
    人の親切や恩など全くお構いなし。
    そして、まどうてまどうてとしつこく相手を責めたてる。
    人間の世界にも少なからずこんな人いるのかもしれないなぁと思ってしまいました。
    でも、やっぱりこんなねずみには罰が当たります。

    どんよりとした暗い部屋、まどうてと陰湿なねずみの雰囲気‥とてもリアルに描かれています。ラスト、ねずみとりにかかってしまった時の絵はとても迫力がありました。悲しいねずみの気持ちがよく表れているなぁと思いました。

    こんなことばかりしていると必ず痛い目に合うという教訓としても良い本だと思いました。

    投稿日:2014/06/20

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  • 悪すぎる

    とっても性格の悪いねずみがでてきます。もちろんハッピーエンドではない。自業自得なのですが、この残酷な感じが、結構リアルなので、余計に怖く感じてしまいます。嫌われ者だけど誰かと繋がっていたい、寂しいというのは、この鼠だけではないですよね。どんな人だって持っている感情かもしれません。しかし悪い事をしたものはすぐに受け入れられ良い人(ねずみ)になれるわけはありません。皮肉っぽいお話ですが読みごたえもたっぷりです。読んだ後に一緒に考えてみるといいかもしれません。

    投稿日:2014/06/19

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  • 自業自得

    ツェねずみの発言や行動には、強くイライラを感じていました・・・
    よくもまぁここまで、と呆れるほどです。
    結局は、自業自得ということでしょうね。
    でも、ツェねずみほどではなくても、こんな性格って誰でも少しはあるのかな。

    投稿日:2014/06/17

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  • 性格が悪いねずみ!

    「ツェ」という名前のねずみのお話です。
    「ツェ」だなんて、変な名前だなと思ったのですが、なるほど、このねずみの名前って、
    物事がうまくいかなかった時などについついやってしまう舌打ちの音「ちぇっ」から
    とったんだなということが、読み終えるとわかります。
    「ちぇっ」を宮沢賢治が表現すると「ツェ」になるんでしょうね。

    とにかく、このツェねずみの性格が悪いことにはびっくりさせられます。
    自分に起こった悪いことや嫌なことは、全部誰かのせいにするんです。

    そんなヤツの行く末は・・・ある意味、期待通りの結末になっています。
    「まどうて下さい、まどうて下さい」が口癖のツェねずみでしたが、
    さすがに最後はこの口癖は出ませんでしたね。

    ねずみが、柱やバケツと普通に会話しているシーンでは、なぜか違和感を感じずに
    すんなりと受け入れることが出来ました。、小さな生き物たちは、もしかしたら
    そうやって物とだって会話を交わしているのかもしれないという発想や想像は、
    きっと宮沢賢治の世界観なんだろうなと思います。

    結末が気になる終わり方ですので、「その後」の続きを考えてみたら
    面白いかもしれません。そういう余韻を残した終わり方もまた良かったです。

    投稿日:2012/05/08

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  • 「僕の中にも、・・・あるな〜」と苦笑い

     石井先生の絵でしたので手に取りました。
     表紙絵から主人公のツェねずみの性格を表した表情に、ストーリーの記憶が蘇って来ました。

     他人にどんなに親切にされたって、有難いなんて思わない。
     悪いことや嫌なことは全部誰かのせいにする。
     果ては、「まどうて(償って)おくれ、まどうておくれ」としつこく詰め寄る始末。

     万事がすべてこの調子で、何をしても周囲に当たり散らしていたツェねずみが、次第に世間を狭くしていき、最後には最も危険な“ねずみ捕り”としか交際せざるを得なくなり、・・・。

     終盤の人間に対して少々反感を抱いていた“ねずみ捕り”と意外にもつきあえてはいたものの、次第に尊大な態度と言葉遣いのツェねずみに対し、怒り心頭に発した“ねずみ捕り”のアップのページは迫力がありました。

     読後息子は、「僕の中にも、ツェねずみのような嫌な性格の部分があるな〜」と苦笑いをしていました。

     文章がやや長めと敬遠されている方も、どこかユーモラスで説得力のある石井先生の絵で賢治作品に触れてみてはいかがでしょうか。 

    投稿日:2010/11/30

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  • イソップのようです

    • ポピンズさん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子7歳、男の子3歳

    賢治絵本のフェアで扱われていた中で、知らない作品だったので読んでみました。
    賢治といえば独特の文体が印象深いのですが、この絵本は石井さんの味わい深い絵に釘付けになってしまいました。
    「まどうて」という耳慣れない言葉が、このネズミの表情と切っても切り離せず、忘れられそうもありません。
    いたちをはじめ、道具たちの表情も豊かで、うまく描かれた昔話の世界にどっぷりでした。
    こんな、ありえない人、いる?と思うほど、事実は小説より奇なりで、我慢ならない人はいるものでしょう。
    そんな人は、最後はこういう目に合うと思うと、少なからず救われます。
    賢治にこんなイソップのような昔話の王道をいくような作品があったとは知りませんでした。
    多彩な賢治ワールドの作品群に触れさせてもらい、フェアに感謝しています。

    投稿日:2010/11/16

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