仲の良いお友だちでも、ささいなことですれ違って傷つけ合ってしまうこと、ありますよね。
明らかに「どちらかが悪い」という状況ではない場合ほど、自分を責めたくない気持ちが先走って相手を傷つける発言をしてしまったり……。
この絵本に登場するふたり、「わたし」と「リリちゃん」も、ささいなすれ違いで傷つけ合ってしまいます。
「ちゃんときいてないからよ。いつもボーッとしてるんだから」
「でも、ちゃんといってくれなかったじゃん。いつもそうなんだから」
仲が良いからこそ、言われた方は深く傷つくし、相手を責めたり、自分を正当化しようとしたり、でもやっぱり自分も責めたり・・・。様々に複雑な感情が渦巻いて、むねがちくちくと痛むことでしょう。
泣きながら寝てしまったわたしに、タカおじさんがこうアドバイスしてくれました。
「あした、ちゃんとあやまればいいよ。
でんわやメールじゃなくて、あって、めをみて、
はなすべきだね」
翌日、顔を合わせたわたしとリリちゃんは……。
こんな風に「むねがちくちく」する経験をたくさん乗り越えて、人の気持ちをわかろうとするようになったり、相手を傷つける言葉、傷つけないための言葉の違いを知ったりしていくのかもしれません。
小学生が主人公のおはなしですが、これからお友だちと様々な関係を築いていく未就学のお子さんにも、ぜひ読んであげてほしい一冊です。
(洪愛舜 編集者・ライター)
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わたしはリリちゃんとにちようびにあそぶやくそくをしました。
にちようびのあさ、わたしはふたりぶんのおべんとうをつくって、11じにどうぶつえんにいきました。
40ぷんまちました。リリちゃんはきません。
うちにかえってすぐ、リリちゃんのけいたいでんわにでんわしました。
リリちゃんはすいぞくかんのまえにいました。
「ウミウシがみたいって、あたしいったじゃない」
「そうだったっけ。ウシっていうからどうぶつえんだとおもってた」
「ちゃんときいてないからよ。いつもボーッとしてるんだから」
「でも、ちゃんといってくれなかったじゃん。いつもそうなんだから」
リリちゃんはでんわをきってしまいました。
すれちがって、また仲直りして。
泣いて笑って生きていく子どもたちが描かれます。
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