樹に生えている葉っぱは、落ちた後、どうなるのか……、
そんなことを、考えたことは、ありますか?
春の訪れとともに、葉っぱは誕生します。
夏はたくさんの日差しと雨を浴びて元気に茂り、秋になると色づきます。
「森のキャンパスに たしかなうでで 絵をかきあげる
葉っぱのなせる けっさくだ」
そして冬が来ると、葉っぱは落ちてしまうのですが……。
まだまだ、続きがあります。
落ちて重なった葉っぱは、ふとんのように木の根元を温めます。
やがて、虫に食われて栄養いっぱいの土になり、水に溶けて川から海へと流れていきます。
海では植物プランクトンから動物プランクトン、小さな魚、大きな魚と命をつないで……。
そう、この絵本には、「命のつながり」が、描かれているのです。
それは、葉っぱの大冒険でもあります。
土になった時点で、もう葉っぱは葉っぱの形をしていません。
でも、確かに命は続いています。
本書では、透明になった葉っぱの形で、それが表現されています。
目には見えないけれど、ここにも、そこにも、命がつながっている。
この絵本を読めば、子どもたちはそのことを学ぶことができるでしょう。
(洪愛舜 編集者・ライター)
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