なだらかで大胆なカーブを描いた大きな体、黄色く輝く大らかな笑顔。
それが今度つちのこえんの小さい子クラスにやってきた、ばなな先生です。
「ばななです。よろしく」
なんて人なつっこい笑顔なんでしょう。クラスの小さな野菜のおともだちは、早速ばなな先生を連れて園庭に遊びにいきます。
ところが庭の遊具では、すでに大きい子クラスのお兄さんやお姉さんが遊んでいて使わせてもらえません。
「つかわせて」「だめ!」
うんうん、よくある光景です。いばりんぼの大きな子と、怒りだす小さな子。
でも、そーんな小さないざこざ。ばなな先生の前では関係ありません。
ばなな先生の大きな体を使った「ばななすべりだい」や「ばななシーソー」、「ばななブランコ」!
たまねぎちゃんも、にんにくくんも、みんなみんな大喜びです。
さっきまでケンカしていた大きな子たちだって、もうみんな大喜び。
こんな先生いたらいいね、大好きばなな先生。
子どもたちはとっても個性的。感情の出し方だって、成長のスピードだってみんな違う。つちのこえんの子たちみたいに、お豆さんみたいな子やきゅうりやさつまいもみたいな子だっているよね。毎日色んな事件が起こるのは当然かもしれません。でもそんな時、一番近くにいる大人が、ばなな先生みたいに大らかに、みんなをありのままに受け止めてくれたら。子どもたちの気持ちはどんなに落ち着くのでしょう。
最後の子どもたちのセリフが心に響きます。
「ばなな先生は わたしたちの せんせいだよね」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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