家の前で、お父さんとお母さんが車で出かけるのを見送っている男の子、それがスペンサー。
スペンサーはどんな子かっていうとね。
庭の草原で思いっきり駆け回る元気な子。
それにすごくつよい!
ハチの巣を見たってこわがらない。くまとだって仲良し!?
走るのもはやいよ。
うまにだって負けてない!?
きりんと同じくらい大きいし、ぞうがついてきちゃうくらいの大声も出る。
あばれんぼうだったら、とらよりすごいかも・・・。
だけど、あるすばらしい日。
スペンサーはびっくりするほど優しくて、お日様みたいにいい気分。
だって・・・「おにいちゃんになったんだもん!」
新しい家族がやってくる、特別な日がもうすぐやってくる。
やんちゃなスペンサーが、体いっぱいを使ってウキウキ、ソワソワしていたのは、この日を待っていたからなんだね。
そのいきいきした表情、無邪気さ、緊張の瞬間!
言葉は発しなくとも、それがどんなに素敵なことなのか、読む者の心にしっかりと伝わってきます。
あかちゃんの顔をのぞくスペンサー、そんな二人を見守るお父さんとお母さん。
家族を優しく包み込む美しい緑の木々、遠巻きに見つめる動物たち。
「家族って素晴らしい。」
誰もがそう思わずにはいられない、優しさとあたたかさ、そして可愛らしさにあふれた一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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