百年の家」 ママの声

百年の家 作:J・パトリック・ルイス
絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:長田 弘
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\2,090
発行日:2010年03月
ISBN:9784062830423
評価スコア 4.59
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みんなの声 総数 31
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  • 大人向け

     ある1軒の家の1900年から1999年までの100年の歴史を、家が自分の歴史を語るようにお話は進んでいきます。
    家の語りは静かですが、100年の間に、結婚式があったり、家族が増えたり、お葬式があったり、戦争があったり、嵐にあったり。
    一日、一日の平凡な営みが歴史を作るんだと、感じられました。
    また、人間が生きることって、なんだかすごい、そしていとおしいとも感じました。
    とても緻密に美しく描かれた絵は、見ごたえがあります。
    秋の夜長、ゆっくりと見て、読んで味わってほしい絵本です。

    投稿日:2010/10/15

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    2
  • 人々の営みを定点観察で

    ずっしり重いし、すごい絵本だなぁ。
    私も「ちいさいおうち」を思い出したのですが、こちらはもっと科学的かつ歴史的でしょうか。
    「ちいさいおうち」は、お母さんが大好きなんだよと何回読んでも無反応なのに、こちらにはえらく興味を示した娘です。
    よかった。どうしても二人で読みたいと、延長貸し出しまでしてもらって借りて。
    難しい言葉は易しく置き換えながら読みました。

    いちいち、「これは戦争の時?これは、ばあばが生まれてる?これは……」と計算させられましたが、いろいろ考えながら聞いていたようです。
    これ、日本の家屋でも見てみたいなぁ。
    人間の視点ではなく、家の視点での語りというのも心惹くものがありました。

    投稿日:2011/02/19

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    1
  • 人の営みにただ黙って立ち会う

    • たれ耳ウサギさん
    • 40代
    • ママ
    • 群馬県
    • 女の子20歳、女の子17歳、女の子16歳

    みなさんのレビューを読んで、どうしても手に取りたかった一冊です。

    本を開き私たちに見えるのは、どのページも1件の古びた家と
    その周りのほんの少しの丘の斜面。
    そして今にもそこから動き出しそうな人間、動物、木々や草。

    1656年に建てられたその家は、様々な家族が住み、修理が
    繰り返され、やがて住む人のいない廃屋となった。
    見守るのはめぐる季節だけ…

    その家が1900年に子供たちに偶然に見つけられてから
    1999年までの100年の自分史を語ります。

    私たちが目にしているのは、けっして多くの空間ではありません。
    しかしながら、全てのページからそこに住んだ人達の何気ない
    日常生活と喜怒哀楽、時代背景まで、窺い知る事ができるのです。

    昨日と今日は変わったようには見えないけれど、去年と今年は
    少し違う。10年前と現在は確実に変化している。それは良いときも
    あろうそうでない時もあるけれど過不足無く変わってほしい。
    そんな事を教えてもらった気がします。

    1999年、この家は明るい陽射しの中、そこに住む人たちの笑い声が
    聞こえてきそうな、素敵な家に生まれ変わっています。
    またこれからの100年新たな自分史を紡いでいくのでしょう。

    投稿日:2011/01/07

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    1
  • 歴史を本格的に習う年頃のお子さんに

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子15歳、女の子10歳

    すごく良かったです。気になる人はなびの「出版社からの内容紹介」を読んでください。ここに、この絵本の良さが凝縮して描かれています!!

    1軒の家の歴史とともに、人の歴史があり、国の歴史、世界の歴史を感じました。
    それと、この絵本はイタリアの絵描きさんと、アメリカの作家(文章)のコラボでした。お国柄が違うのに、山間部に立つ家のドラマがすごく伝わってきました。
    作品の中で「第一次世界大戦終了」とか、「第二次世界大戦戦下」とか出てきますので、小学校の高学年以上、特に歴史を本格的に習う中学生・高校生のお子さんにお薦めしたいです。

    後、絵がホントに細かくて素敵なので、美術に興味のあるお子さんも、ぜひ、見てほしい絵本です。

    投稿日:2010/07/13

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    1
  • 絵本の醍醐味!!!

    絵本の醍醐味といったら何だろう。。。
    と考えた時、お話はもちろんだが、そのイラストを忘れてはならないでしょう。
    見応えのあるイラスト!!さすがです。
    大人向けの何度も開いてみたくなる、そんな絵本に思いました。
    絵本は子供という印象を覆す、そんな1冊でもあります。

    投稿日:2019/09/01

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  • ステキなお話

    このお話は、一つの家について描かれたお話でした。家が戦争や時代の流れによって風化したり建て替えられたりと、その時々の人々の中心になっていました。家は無機物なのですが、このお話では生きているみたいに描かれていてステキでした。

    投稿日:2014/01/12

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  • 人々の営み

    • 10月さん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子7歳

    読む人によって感想の変わってくる絵本かもしれません。
    ある一軒の家の百年を淡々と重厚なイラストで描ききっています。
    そこで営まれる百年のあいだの人々の生活。人生。家族の歴史。時代の変遷。

    結婚式があり、赤ちゃんが生まれ、畑を耕し、木を植える。家が増築される。人も家もしあわせな時代。

    家族が亡くなり葬式。戦争の波に翻弄されるつらい時代。

    無人になった家は荒れ果て、森の一部へと還っていくのか・・・。

    さいごはまたきれいに手直しされて、ぬくもりのある、しあわせな家に戻ります。

    じんわり、じんわり、感じるものがあります。
    生の儚さ、ひとびとの懸命に生きる姿。
    大人になるほどにそういったことをこの絵本から読み取ってしまうのでしょう。
    ほろり、ほろり。

    7歳の息子はというと、これはこれで子供なりにとてもこの本を楽しみました。
    「井戸ができてるよ・・!あっ、ここの部分がお部屋増えたね!」と、
    主に家や土地の小さな変化を見つけるのがかなり楽しかったようです。
    この絵本好き、と云ってました。
    親子で異なる読み方のできた一冊でした。
    とてもいい絵本です。

    投稿日:2012/05/14

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  • 歴史を感じる

    1軒の家、とても重厚な家が見守ってきた人の営み。
    多くの人が生まれ、育ち、巣立ち、なくなっていく様、その時代を映し出すいろいろな出来事・・・一軒の家から見た人間模様が書かれています。
    時代が変わり、人が変わるとともに、家も少しずつ様変わりしていく、その時の流れは変えられないけれど・・・更地になり、まったく生まれ変わってしまう最後は少し残念な気持ちがします。
    なんといっても絵がいいですね。
    家だけでなく、一人ひとりの人間の様子、家のまわりの草地や畑、木。季節、時代によっていろいろな色を見せるその風景の移り変わりがすばらしい。
    何歳くらいで読めるかな?
    でも、小さい子どもに読んで聞かせるには難しいでしょう。
    子どもというよりも、大人が手に取りじっくりと味わう絵本だろうな、と思う。

    投稿日:2011/02/24

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  • 時代の変化を受け入れるということ

    表紙からいきなりの重厚感に圧倒されました。
    人物達の表情の暗さがとても気になりつつ、ページを開きました。

    この本の主人公は、1656年に建てられ、長い年月が経つうちにいつの間にか人の住まない廃屋になってしまっていた古い家。
    それが、1900年に再び人の住む家に生まれ変わり、そこから1世紀にもわたるこの家の歴史が物語られます。
    定点カメラによる撮影のように同じ構図で描かれた家。
    年月が経つにつれ、家の様子も、そこでの人々の暮らしぶりも変わっていきます。

    20世紀。それは、2度の世界的規模の戦争があった世紀でもあります。
    この物語の初頭、森の中にたたずむこの家の周りはまだ中世の雰囲気すら残した牧歌的な生活ぶり。でも、世の中は戦争への道をたどっていることがうっすらとうかがえるのです。
    戦場から離れた山深いこの場所。そんな場所に住む人々の日々の生活にも、いやおうなく戦争は影を落とすのですね。
    そして2度の戦争。具体的な描写はありませんが、人々の悲しみがひしひしとつたわってきます。
    表紙の絵は、この部分から取られたものでした。

    戦後の復興、人々の暮らしぶりの激変。古き伝統を軽んじる風潮。でも、それが時代の変化。これまでもさまざまな変化を受け入れてきたこの家は、今また、「現代風」への変化を受け入れることになるのです。

    この本を読み終えたとき、さまざまな感情が駆け巡りました。
    私は、ラストが明るいものとは受け取れませんでした。
    現代風な暮らし方、それはまさに今を生きる私たちの暮らしなのですが、それはあまりにも軽薄なのではないか・・・と思わせられて。

    でもこの家は、それでさえも甘んじて受け止めて、自らの姿を変えていくのですよね・・・。
    この本と同じく家という形をとって現代社会への警鐘を鳴らした名作「ちいさなおうち」との類似点・相違点を考えさせられました。

    何度も読み返したい名作です。でも、大人向きでしょうね。
    手元に置いておきたい1冊をまた見つけました。

    投稿日:2011/02/24

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  • 何度も読みかえしたくなる本

    • けいご!さん
    • 30代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子11歳、男の子7歳

    一回読み通しただけではもったいないと思える、内容に重みのある絵本だと思います。
    家の一生を、そこに住んだ人の一生とともにたどっていくと、家にも人生に似た過程があることに気づかされます。家も人と同じように、心をもち、一つ一つのできごとに喜んだり悲しんだりしてるんだなあと思いました。
    「なくなったものの本当の護り手は、日の光と、そして雨だ、と。」という家のつぶやきは、せつないけど事実だなあと感じ、そのつぶやきをかみしめます。人間もそうなんだ、土に返って、日の光や雨が護ってくれるんだ。。。って思うと、死ぬものの形はちがえど、みな同じものに返り、護られているんだあって考えに行き着くんですね。
    図書館で借りたものですが、自分のそばに一冊ほしいなあと思いました。これから成長する子どもにも一冊。子どものころに読み、そして成長してから読むと、味わい方がちがうんだろうなあと期待します。

    投稿日:2011/01/21

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