380万部を超えるロングセラーとなった『あらしのよるに』シリーズは、
食うもの(オオカミ)と食われるもの(ヤギ)であった生き物の友情を描いた作品で、
最初の刊行が1994年ですから、すでに30年以上経ちます。
その新しいシリーズとして『新あらしのよるに』の刊行が始まったのが2025年で、
最初の巻は『あいことばはあらしのよるに』でした。
新しいシリーズでは「家族」がテーマになっていて、
オオカミのカブとヤギのメイのところに子リスがとびこんできたところまでがこれまでのお話。
新シリーズ2巻めとなる『あたらしいかぞく』は、タイトルも「かぞく」とはいっているように、
より鮮明にオオカミとヤギとリスという不思議な家族の姿が描かれています。
ヤギのメイには母親らしい愛情はありますが、オオカミのカブには父親という自覚はあまりありません。
それでも子リスのポイに、小動物がどのように敵から身を守るかを教えていくうちに、次第に心がほどけていきます。
そのあたりのカブの心情を、作者のきむらゆういちさんは巧みに表現しています。
ある時、ポイがいなくなります。
見えなくなった子リスを懸命に捜すオオカミとヤギ。
三匹はそれぞれ違う生き物ですが、それでも「あたらしいかぞく」としてまとまっていきます。
これから、ポイの本当の母親を探す旅が始まるのですが、それはまだこれからのお話。
この絵本、絵はもちろんあべ弘士さんです。